【皐月賞(G1)予想】距離不安のあるジャンタルマンタルは消し! 76年ぶりの牝馬Vを期待してレガレイラを本線に
大混戦の皐月賞を切る!
今回は牡馬三冠の初戦「もっとも速い馬が勝つ」皐月賞(G1)を予想していく。
それではいつものように過去10年、馬券に絡んだ30頭の前走データを見ていくことにしよう。
共同通信杯 8頭
弥生賞ディープインパクト記念 7頭
スプリングS 4頭
ホープフルS、京成杯、若葉S(L、OP) 各2頭
朝日杯フューチュリティS、東京スポーツ杯2歳S、きさらぎ賞、毎日杯、アーリントンC 各1頭
となっている。以前、共同通信杯(G3)は日本ダービー(G1)直結のレースとされていたが、今では皐月賞との関連性が強くなっているようだ。次いで弥生賞ディープインパクト記念(G2)からの臨戦が多く、もうひとつのトライアル、スプリングS(G2)は影が薄い。イメージではホープフルS(G1)からの直行で好走する例が多いように感じるのだが、実際には2頭しか例がない。この中では低く見られがちな若葉SもホープフルSと同数の好走例があることを考えると軽視できないだろう。
続いて人気順の成績を見ていく。
1番人気 2-1-3-4
2番人気 3-1-0-6
3番人気 1-3-1-5
4~6番人気 1-3-2-24
7~9番人気 3-2-3-22
10番人気以下 0-0-1-83
となっている。上位人気はそこそこそれなりの成績。2番人気がやや数字で見劣りしているが、近5年で絞ると1番人気4頭、2番人気2頭、3番人気3頭と似たような数字。上位人気がすべて飛んだのは17年と18年の2回きりで、上位人気が1頭しか来なかったケースも21年の1度きり。上位人気2頭に8番人気くらいまでの穴馬が1頭という組み合わせになる傾向が強い。
これを踏まえて「◎」は人気の一角になりそうだが、10番レガレイラとする。
前走のホープフルSの予想ではノーマークで痛い目に遭った。しかし、改めて戦績を見ると、3戦すべてで出遅れている代わりに上がり最速をマーク。3着に敗れた2戦目のアイビーS(L)では、6頭立ての少頭数競馬ながら、中団から捲って上がり32.7秒の強烈な末脚を披露している。
陣営は「前走の内容から能力の高さは疑いようがなく、牡馬相手でも通用する」と断言。「動きや仕上がりに言うことはないが、道中の折り合いが課題になる」とした上で「急にスイッチが入りそうな面もあるので、当日の気配も鍵になる」と思ったより強気ではない。
牝馬が勝てば76年ぶりの快挙となるらしいが、引き合いに出されるのは7年前の牝馬挑戦で1番人気を背負ったファンディーナ。7着に敗れているが、ファンディーナは新馬戦とフラワーC(G3)を圧勝しただけの馬。その点、レガレイラは並み居る牡馬を蹴散らしてG1を勝っているわけだ。そもそもの格が違う。
また血統背景的にも3代母に「あの」名牝ウインドインハーヘアの名前があり、ディープインパクトと一部血統構成が重なっている。さらに言えば先週の桜花賞(G1)を勝ったステレンボッシュも同じ牝系の出身である。
まさにクラシック向けの1頭ではないか。中目の枠を引いたので、道中どう展開していくかで陣営の懸念が現実のものになる可能性もあるが、よほどのヘマをしなければ3着までは堅いと見ている。できれば76年ぶりの牝馬Vを見てみたい。そういう意味でも本命に推した。
「○」も人気サイドになってしまうが、13番ジャスティンミラノを挙げる。
ジャンタルマンタルが出走して1番人気をさらわれた前走だが、道中捲り気味に上がって、ゴール前しっかり差し切ったその脚は確かなモノ。この時にマークした上がりが32.6秒。これで上がり2位なのだから、いかに強烈な上がり勝負だったのかがわかる。
陣営は「新馬、前走と上手い競馬でしっかり脚を使えた。ゆったり走れる東京は向いている」と評価。「コーナー4つの中山2000m、多頭数で今までとペースが変わり、自分のリズムで運べるかどうかが鍵になる」と、こちらも控えめなコメントになっている。
上でも触れたが、共同通信杯と皐月賞の結びつきは年々強くなっており、近5年でも共同通信杯の勝ち馬は1勝3着2回と好走傾向。まだ東京しか走ったことがないことは確かに懸念として残りはするが、ポテンシャルの高さで押し切ることは十分考えられる。こちらも人気するはずだが、押さえざるを得ないだろう。
「▲」はトライアル勝利にもかかわらず人気がない、12番コスモキュランダを推す。
ここまで7戦消化と使い過ぎの感があり、約半分は馬券圏外に飛んでいるので、人気がないのは仕方のないところかも知れない。だが、前走は出遅れながらも捲るように上がり、先頭に立つとそのまま押し切って、有力馬を蹴散らしたのは実力あってのものだろう。
陣営も「前走は捲って勝ちに行く強い競馬だった」と高評価。「状態面は非常に良く、ここでも通用する力は持っている」と自信ありげな強いコメントを出している。
前走はフロックではないかという疑念もわいてくるが、一昨年の弥生賞ディープインパクト記念でドウデュースを2着に負かしたアスクビクターモアは、後に菊花賞を勝利している。
これがいい感じに人気がないのは、狙い目以外の何物でもないはず。奇しくも父アルアインは◎レガレイラで引き合いに出したファンディーナが1番人気になった17年の皐月賞馬。不思議な縁と思えば一発があってもおかしくはない。
「△」は人気薄の3番エコロヴァルツと人気の一角、14番シンエンペラーの2頭とする。
エコロヴァルツは朝日杯FS(G1)2着の実績を買われて、前走では3番人気に推されるも、○ジャスティンミラノの脚に屈して5着と辛うじて掲示板を確保するに留まってしまった。
陣営からは「前走はテンションが高くなり過ぎて、思うような走りができなかった」と振り返るコメント。「短期放牧を挟んで帰厩後の調整は順調。落ち着いて臨めば見せ場は作ってくれると思う」と自信をのぞかせている。
距離に関しては、新馬と続くオープン戦で1800mを勝利しているので問題ないはず。やはり陣営の言う通りテンションが上がり過ぎて、思うようなレースにならなかった可能性が高い。
今回出走の18頭のうち、前走馬券圏外に飛んだのはわずか2頭しかいない。そのうちの1頭がこの馬なのだが、共同通信杯5着からの巻き返し例が1例だけある。21年のステラヴェローチェだ。クラシックでの活躍はもちろん、脚部不安に悩まされながらも第一線で走っている。
この馬も、そういった存在になり得るだけのポテンシャルはあるはずだ。厳しいレースになった共同通信杯で掲示板を確保した実力を買ってみたい。
シンエンペラーに関しては、ホープフルSの予想で自信の◎を打ったが2着。続く弥生賞ディープインパクト記念でも◎を打って、またしても2着と、どうもこの馬とはゲンの悪さを感じずにはいられないが、それでも馬券圏外に飛んでいないだけ良しというところか。
陣営は「まだ若さが残っているのは確か」と前走を振り返っている。「最終追い切りも遅くなったが、体にメリハリが出て前回より良くなっている」と状態は良さそうだ。レガレイラの牝馬Vも見たいところではあるが、この馬が外国産馬初の牡馬クラシックを制覇し、ゆくゆくは凱旋門賞(仏G1)の兄弟制覇が見られれば、最高の展開である。実力は間違いないので、人気サイドではあるが押さえたい。
今回人気の軸になりそうな8番ジャンタルマンタルは消し。
前走は2着に粘ってはいるが、それも陣営曰く「先を見越して鞍上が我慢させる競馬」をさせた結果という。「リズム良く運んで、どこまでやれるか。ここで距離の見通しが立つだろう」と明らかに距離不安を抱えているコメントである。前走、上がりは勝ち馬と同タイムの強烈な時計をマークしているが、それも1800mだったからこそ、と考えられる。さらにもう1ハロンは長い可能性があり、3着まではあるかも知れないが、掲示板止まりではないか、と踏んで消す。
ということで、今回は3番、10番、12番、13番、14番の5頭で3連複BOX10点勝負とする。ここまで人気馬を押さえると、順当に決まれば配当は期待できない。それよりも的中させること、あるいは上述したような「ロマン」に馬券を投じてみたい。
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