【マイラーズC(G2)】気合い十分のソウルラッシュに対しセリフォスは「勝負度合い」はやや低め? 『重巧者』トランキリテは悪天候なら期待 セッション「直線が平坦なココならば」【激アツ現場“生”情報】
京王杯スプリングC(G2)とともに安田記念(G1)のトライアルとして今週末21日に行われるマイラーズC(G2)。今回、有力視されているのは、一昨年の覇者ソウルラッシュ(牡6歳、栗東・池江泰寿厩舎)のようだ。
今回が3度目の出走となるソウルラッシュは、過去1勝3着1回とこの舞台を得意としている。この結果を見る限り、上位人気の予想も納得だ。
しかし、本番の安田記念では22年13着、昨年9着と結果を残せていない。
そのため、通常ならば調整との意味合いを持つことも多いマイラーズCに対して、陣営は初戦からフルパワーを発揮できると意欲十分。稽古で3週続けて終い10秒台をマークするなど、休養明けであることを感じさせない動きを見せている。
『G1のタイトルを取りたい』は陣営関係者にとって合言葉になっているという。今年は悲願のG1獲得に向けて、前哨戦から手を抜くこと無く、ライバルたちを圧倒して次へ進ませたいようだ。
今年は気合い十分のソウルラッシュに他馬がどれだけ迫れるのか、今年のマイラーズCはこのような構図になることもあり得るだろう。
ソウルラッシュ対抗馬セリフォスは勝負気配やや低め?
対抗馬として名が挙がるのは、昨年の安田記念で2着に終わったセリフォス(牡5歳、栗東・中内田充正厩舎)だろう。昨年の勝ち馬ソングラインが現役を去ったこともあり、今年は春マイルG1でも最右翼と見られている。
秋以降はマイルCS(G1)で2番人気に支持されるも8着。さらに香港マイル(G1)7着とイマイチな結果に終わっていた。だが、関係者によれば「マイルCSでは体調が整わず、香港は馬場が合わなかった」と敗因は明確だという。今回は放牧でリフレッシュしており、条件も違う。
前2走は度外視して良いため、ここでは好走が期待できる。しかし、あくまで『今回は安田記念に向けていい形の競馬をする』がテーマのようだ。そのため、体つきなどには休み明け感があるのは否めない。勝負度合いはやや低めのよう。本領発揮は次走になるか。
セリフォス以外のライバルたちの動向に注目!
名手・武豊騎手との出会いが競走馬生活を一変させたトランキリテ(牡5歳、栗東・松永幹夫厩舎)には、条件さえ揃えば好走も十分期待できる。
これまで3勝クラスで鳴かず飛ばすだったものの、武豊騎手とのコンビ結成後は1勝2着1回と好成績。さらに5歳にして、ようやく馬に芯が入るなど本格化の兆しも見せている。
「近走はいい走りを見せていますが、開幕週ですし、高速決着になると分は悪いです。ただ日曜の京都競馬場は雨予報。武豊騎手も『悪路巧者』と語っていますし、少し時計がかかれば、見せ場も十分につくれるのではないでしょうか?」(栗東関係者A)
武豊騎手が最後にマイラーズCを勝利したのは1994年のこと。もし優勝を果たせば、同一重賞最長ブランク勝利となるという。トランキリテは名手にまたひとつ記録をプレゼントすることができるだろうか?
セッション(牡4歳、栗東・斉藤崇史厩舎)は、乗り慣れた坂井瑠星騎手を背に巻き返しに燃えている。
前走のダービー卿チャレンジT(G3)では7着。逃げようとするも、エエヤンに競りかけられてハナを譲り、離れた2番手で追走。主導権を握れなかったのが痛かったか、最後の直線ではズルズルと後退してしまった。
「あの展開は難しく、最後は中山の急坂も影響して余力がなくなりましたね。ただ今回は直線が平坦な京都競馬場なので見直されると思いますよ。
前走後も在厩で調整されていて、相変わらず動きは目立っています。使った上積みも見込めるでしょう」(栗東関係者C)
昨年のNHKマイルC(G1)以来のG1の舞台を目指すセッション。反撃態勢は整ったと考えてもいいだろう。
これまであまり運が向かなかったフリームファクシ(牡4歳、栗東・須貝尚介厩舎)は、ここで実力を証明して安田記念に備えたい。
昨年のきさらぎ賞(G3)を制覇後、重賞戦線に参戦するも結果が残せないでいた。しかし、それも「折り合いを欠いたり、外枠だったりと不運な事が重なったため」と、関係者は強気な姿勢を崩さない。
「もっと走れる馬だと信じています。今回は中間の調教の動きもいいですし、マイルも能力的に合っています。うまく前に壁を作って、スムーズに折り合うことができれば、期待できますよ」(栗東関係者D)
伏兵の台頭にも十分期待できるか?
あくまでもG1のトライアルと捉えている陣営と、ここから復活の狼煙をあげたいと考える陣営など、さまざまな思惑が重なり合い、混迷を極めるマイラーズC。ここを制覇して春のマイル王決定戦に歩を進めるのは、どの馬になるのだろうか? 発走は15時35分を予定している。
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