
福永祐一厩舎「初G1」はこの大物!? リバティアイランド、フォーエバーヤングの妹…来年のクラシックもキズナ産駒は大注目!

新緑の季節が深まり、いよいよクラシックの頂点を決めるオークス(G1)、日本ダービー(G1)の開催が近づいてきた。そして、それは同時に「来年のクラシック」へ向けた戦いの幕が上がる日が近いことも示している。
今年のクラシックを語る上で外せないのが、種牡馬キズナの大ブレイクだろう。
歴史的大種牡馬ディープインパクトが世を去ってから5年、その後継者争いに大きな一石を投じたキズナ。早くから「黄金世代」と言われたほどの豪華ラインナップからは無敗の皐月賞馬ジャスティンミラノが登場し、父の名声が大きく高まったばかりだ。
他にも、先日の京都新聞杯(G2)を制したジューンテイク、青葉賞(G2)で2着を確保したショウナンラプンタらがダービー切符をゲット。最大の惑星として注目を集める無敗の大物シックスペンスや、若駒S(L)勝ちのサンライズジパングらも出走を予定する今年は、親子3代による日本ダービー制覇の期待も高まっている。
また、牝馬もライトバックが桜花賞(G1)で3着に好走した他、クイーンズウォークがクイーンC(G3)を、タガノエルピーダが忘れな草賞(L)をそれぞれ制覇。牡馬ほどのインパクトはないかもしれないが、オークスで既存の勢力図を塗り替える可能性は十分にあるはずだ。
そこで今回は、来年のクラシックを目指す有望なキズナ産駒たちを紹介したい。
■スティレセイル(牝2歳、栗東・福永祐一厩舎)

今年3月の開業から、さっそくNHKマイルC(G1)にチャンネルトンネルが出走を果たすなど、前評判通りの活躍を見せている福永厩舎。そんな大注目の厩舎から初めてデビューするのが、今年の2歳馬たちである。
中でも、このスティレセイルは兄にダノンベルーガ、姉にボンドガールがいる良血のキズナ産駒であり、競馬ファンの間では「ノーザンファームからの開業祝」とさえ噂されている超大物だ。すでに入厩している上、兄と姉が早くから重賞戦線で活躍している通り、如何にもPOG向きという馬。馬主は近年の牝馬G1で無類の強さを見せるサンデーレーシングということもあり、福永厩舎に初のG1タイトルをもたらすのは本馬かもしれない。
■マディソンガール(牝2歳、栗東・中内田充正厩舎)

上記したスティレセイルに負けない注目を集めているのが、同じサンデーレーシングの2歳牝馬マディソンガールだ。総額8000万円(200万円×40口)という高額募集も然ることながら、この馬は何と言っても姉に三冠牝馬のリバティアイランドがいることが大きい。
また、姉も手掛けた中内田厩舎が管理するということは、姉の主戦であり、現在リーディングを独走している川田将雅騎手が鞍上になる可能性が高いことも心強い。デビュー戦はもちろん、来年のクラシックを大本命で迎えていてもおかしくないスケールの持ち主と言えるだろう。
■ブラウンラチェット(牝2歳、美浦・手塚貴久厩舎)
キズナ×サンデーレーシングの2歳牝馬となれば、この馬の名も挙げないわけにはいかないだろう。兄には、先日のケンタッキーダービー(米G1)で歴史的な大接戦を繰り広げるなど、世界から注目を集めるフォーエバーヤングがいる。3番手になったのは、父がオールラウンダーなキズナだけに、兄同様ダート路線を進む可能性があるからに過ぎない。
また、兄は世界のYAHAGI厩舎だが、こちらはフィエールマンやシュネルマイスター、ソールオリエンスらを手掛ける手塚厩舎。海外や地方へ参戦する可能性もあるので、自らのPOGのルールとにらめっこしながら指名を検討したい。
■エリキング(牡2歳、栗東・中内田充正厩舎)
ここまで牝馬を3頭紹介したが、牡馬筆頭はこの馬か。馬主は上記したフォーエバーヤングやボンドガールを所有するなど、乗りに乗っている藤田晋オーナーだ。
日本における血統的な実績はないが、昨年のセレクトセールにおいて2億3100万円で取引されるなど世界的な良血馬。母ヤングスターは豪州のG1馬であり、近親には世界各国の重賞馬がズラリと並んでいる。日本競馬への適性は未知数だが、藤田オーナーには今年のクラシックを賑わせているシンエンペラーのような異色の成功例が目立つ。“ウマ娘オーナー”が、その強運ぶりをまたも発揮するか。
■ラトラース(牡2歳、栗東・中内田充正厩舎)
今や栗東のトップステーブルに上り詰めた中内田厩舎からもう1頭、牡馬を挙げておきたい。ラトラースは母に2歳女王のローブティサージュがいる良血馬で、仕上がりの早さを見せるPOG向きの馬だ。距離にやや限界のありそうなスピードタイプだけに、日本ダービーよりもNHKマイルCを目指す存在になるかもしれない。
■ダノンフェアレディ(牝2歳、栗東・橋口慎介厩舎)
ダノンエアズロックが先日のプリンシパルS(L)を制して日本ダービーの有力候補に名乗りを上げたように、POGファンの中には「ダノン」というだけで走りそうなイメージを持っている人も少なくないだろう。それくらいダノックスはアベレージが高い、そして仕上がりが早いことで有名だ。
このダノンフェアレディも現在、栗東の坂路では好タイムを連発しており、開幕週付近のデビューを狙う1頭。兄弟は札幌2歳S(G3)で3着した兄ダイヤモンドハンズが目立つ程度だが、母メチャコルタはアルゼンチンの桜花賞(1000ギニー)の勝ち馬。そろそろ大物が出てきても良い頃だ。
■ショウナンザナドゥ(牝2歳、栗東・松下武士厩舎)
ダノンフェアレディと同じ早期デビューが期待できるキズナ産駒として、この馬も挙げておきたい。母ミスエーニョはファンタジーS(G3)を圧勝し、牝馬ながらに朝日杯フューチュリティS(G1)で1番人気に支持されたミスエルテを出したが、今春に妹のミアネーロがフラワーC(G3)を勝ったことで再び注目が集まっている。一昨年のセレクトセールにおいて2億円を超える高値で取引された良血馬。「ショウナン」の国本哲秀オーナーも、そろそろ“当たり”を引いてもいいはずだ。
他にもPOGやクラシック向きではないかもしれないが、国枝栄厩舎のデアマトローナ、上村洋行厩舎のファーングロット、手塚厩舎のゴーソーファーあたりも面白い存在だ。
「黄金世代」との前評判通り、今年のクラシックで大ブレイクしたキズナだが、2年連続の成功例を出してトップサイアーの地位を盤石なものにしておきたいところだ。
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