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【注目新種牡馬】「芝ダート二刀流」も期待できるリーズナブルなニューフェイス、「4戦全勝」で日本に来たアメリカ生まれの超大物候補

阪神競馬場 撮影:Ruriko.I
阪神競馬場 撮影:Ruriko.I

 今年の日本ダービー(G1)はダノンデサイルの勝利で幕を閉じた。そしてダービーが終わるとともに、来年のダービーを夢見る2歳馬たちもデビューする。

 そして、馬主気分を味わえるPOG(ペーパーオーナーゲーム)で指名した馬の出走を楽しみにしているファンも多いだろう。そこで今回は今年デビューする注目の新種牡馬2頭を紹介してみたい。

ルヴァンスレーヴ(シンボリクリスエス×ネオユニヴァース) 10戦7勝

 今年の目玉となるサートゥルナーリア(父・ロードカナロア)の初年度産駒(現2歳世代)数は142頭。それを僅かながら上回ったのがルヴァンスレーヴの149頭だ。頭数の多さは150万円とリーズナブルな種付け料も関係しているだろう。2022年は250万円にアップしているものの、社台スタリオンステーション(以下、社台SS)の中ではこの年もドレフォンに次ぐ2番目の種付け数だった。

 現役時代のルヴァンスレーヴはダート馬として活躍し、2017年の全日本2歳優駿(G1)、2018年のジャパンダートダービー(G1)、南部杯(G1)、チャンピオンズC(G1)を勝利している。脚部不安の関係で復帰後は精彩を欠いたが、全盛期は紛れもなくダート最強馬候補といえる存在だった。

 また父シンボリクリスエス、母父がサンデーサイレンス系のため、芝でも走る馬を出せそうな血統的な背景もある。すでに二刀流種牡馬として有名なドレフォンと並んで人気種牡馬になっており、注目の種牡馬である。

ナダル(Blame×Pulpit) 4戦4勝

 ナダルはデビューから4連勝で、米ケンタッキーダービー(G1)の前哨戦となるアーカンソーダービー(G1)を制したものの、本番直前の調教中に骨折し無念の引退。同世代の中でも最強との呼び声も高かった、幻の米ダービー馬である。

 血統表を見ると米国色が強く、こちらの産駒はダートが主戦場となりそう。一方で、現役時代のレースを見るとスピードも十分に有していることも分かる。母系に日本競馬に必要なキレやスピードを増幅する軽い血を持ってくれば芝でも面白い。

 ちなみに本馬は社台SSがアメリカから買い付けた種牡馬であるが、当時のアメリカ競馬はコロナで先が見通せず、超大物馬主ですら明らかな買い控えがあった時期。そこに目を付けた社台SSが購入したというわけである。

 社台ファームの吉田照哉代表が「成績も馬体も揃った種馬を他所の国に売るお人好しはいない」と発言したことがあるが、「ケガで引退」と「コロナ」という条件が揃わなければ、ナダルが日本に来ることはなかったかもしれない。

 父Blameの産駒は、JRAで10頭が出走しており5頭が勝ち上がり、中にはオークス(G1)、秋華賞(G1)にも出走したランドネがいるため、ナダル産駒の馬場適性にも期待できそうだ。

 現2歳馬は約8000頭。その中に来年のダービー馬もいるだろう。今週末は安田記念(G1)も行われるが、未来のクラシック候補たちのデビューにも注目しておきたい。

GJ 編集部

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