【エプソムC(G3)展望】レーベンスティールがC.ルメールと「新コンビ結成」で巻き返しへ!「屈腱炎明け」ヴェルトライゼンデは2年前の再現も?

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東京芝1800mを舞台に実力馬が激突

 東京競馬場の5週連続G1開催も安田記念が最後。春のG1も残すところ宝塚記念だけとなった。そんなG1戦線の狭間に行われるのが、東京芝1800mが舞台のエプソムC(G3)だ。

 9日の東京メインに組まれている同レースで主役を務めるのは、昨年のセントライト記念(G2)を快勝したレーベンスティール(牡4歳、美浦・田中博康厩舎)である。

 昨年末には国内外通じてG1初挑戦となった香港ヴァーズ(G1)で1番人気に支持された。しかし、いつもの行きっぷりの良さは影を潜め、まさかの最下位8着に惨敗。管理する田中博調教師は「馬場も重たく走りのバランスもあまり良くなかった」と振り返った。

 その後はじっくりと間隔を空けて立て直しに注力。今年はローカルハンデ重賞の新潟大賞典(G3)から始動した。

 津村明秀騎手を背に1番人気に支持された同レースは、スタートを決めて道中は中団を追走。直線を向いて追い出されたが、伸びを欠き11着に沈んだ。

 津村騎手は「入れ込んでいて、レース前からテンションが高かった」「一歩目からトモを落とすなどチグハグな競馬になってしまった」「3~4コーナーでも後ろの馬に乗っかかられて」と敗因を並べたように全てがかみ合わなかった印象。一度叩かれて、うまくガス抜きができていれば、一変の可能性は十分あるだろう。

 今回はC.ルメール騎手との新コンビ結成で変わり身を見せたいところだ。

屈腱炎から復活を果たすヴェルトライゼンデ 撮影:Ruriko.I

 重賞2勝の実績馬ヴェルトライゼンデ(牡7歳、栗東・池江泰寿厩舎)にもチャンスがある。

 日本ダービー(G1)3着の実績が光るコントレイル世代の素質馬は、古馬初戦のアメリカジョッキークラブC(G2)2着後に右前屈腱炎を発症。大事な時期をリハビリに費やした。

 しかし、1年4か月のブランク明けでいきなり鳴尾記念(G3)を勝利すると、その後はジャパンC(G1)でも3着に食い込んだ。6歳となった日経新春杯(G2)で重賞2勝目を飾り、大阪杯(G1)では3番人気と高い支持。しかし、見せ場なくジャックドールの9着に敗れ、待望のG1制覇を逃した。

 さらにレース後には両前脚の屈腱炎が判明。全治9か月と診断され、2度目の長期離脱を余儀なくされた。7歳を迎え屈腱炎明けと条件は厳しいが、1週前追い切りでは、坂路で51秒3-12秒3と上々の時計をマークしており、再びファンを驚かせる可能性もあるだろう。


 トゥデイイズザデイ(牡5歳、栗東・池江泰寿厩舎)は、デビュー2戦目の京都2歳S(G3)で1番人気に推された逸材(結果は6着)だ。

 しかし、その後は伸び悩み、クラシック参戦は叶わなかった。それでも3歳秋に2勝目、4歳春に3勝目を挙げ、徐々に本格化。3勝クラスは3度目の挑戦でクリアし、前走の谷川岳S(L)が昇級初戦だった。

 重賞ウイナーも複数いる中、1番人気に推されたトゥデイイズザデイ。5番手の好位から競馬を進めたが、2番手につけた伏兵メイショウチタンに出し抜けを食らう形で2着に敗れた。

 デビュー前から注目度の高かった素質馬だけに、2年半ぶりの重賞でも軽視は禁物か。

 昨夏の中京記念(G3)を逃げ切って重賞初制覇を遂げたセルバーグ(牡5歳、栗東・鈴木孝志厩舎)も力は上位。その後は惨敗が続いていたが2走前の小倉大賞典(G3)で3着に粘り込み復活の気配を見せた。

 前走の新潟大賞典は12着に敗れたが、今回は他馬からマークが薄くなるようならスイスイと粘り込むシーンがあっても驚けない。


 思わぬハイペースになれば、父スピルバーグ譲りの切れ味を持つルージュリナージュ(牝5歳、美浦・宗像義忠厩舎)の出番だ。

 昨年秋に3勝クラスを突破し、重賞路線での活躍も期待されたが、結果が出なかった。ところが、前走のヴィクトリアマイル(G1)は出遅れたにもかかわらず5着に好走。4角最後方から上がり最速をマークし、ウンブライルやナミュールにも先着している。

 4勝のうち3勝を今回と同じ1800m戦で挙げており、前走から1ハロンの距離延長は明らかにプラス。牡馬相手でも好勝負は必至だ。


 この他には、近走はやや不振だが22年のダービー卿チャレンジT(G3)を制しているタイムトゥヘヴン(牡6歳、美浦・戸田博文厩舎)、中山で2勝クラス、3勝クラスを連勝中のサイルーン(セ5歳、美浦・堀宣行厩舎)、母がディアデラノビアの良血馬グランディア(セ5歳、栗東・中内田充正厩舎)なども出走を予定している。

 飛躍の秋に向けて初夏の中距離重賞で結果を出すのは果たしてどの馬か。エプソムCは9日、15時45分に発走を迎える。

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