今村聖奈、小林美駒、古川奈穂が戦線離脱…日本ダービーと同じ舞台で鮮烈な初白星を飾った「新人女性騎手」にかかる期待
女性騎手の相次ぐ戦線離脱…
先月26日に函館競馬場での調教中に落馬した今村聖奈騎手が先日、自身のインスタグラムを更新。右肩の脱臼により手術を受けることを明らかにした。
この夏は、デビュー3年目にして初めて北海道を拠点としていた今村騎手。「身体と相談しながら復帰に向けて頑張っていこうと思うので、特に目処も立っていません」とつづり、復帰の時期は未定としている。
「小林美駒騎手も6月23日の函館最終レースで落馬。左肩を脱臼骨折し、師匠の鈴木伸尋調教師によると『(復帰は)すぐにとはいかないと思う』とのこと。
また、古川奈穂騎手も同月15日の函館8Rにおいて、発走直前にゲート内で馬が暴れるアクシデントに見舞われました。鼻骨と両方の頰を骨折したようで、師匠の矢作芳人調教師が『時間はかかりそうです』と話していました」(競馬記者)
女性騎手の怪我による戦線離脱が続いている中央競馬。そんな中、先月29日の開催において唯一白星を挙げた女性ジョッキーが、ルーキーの大江原比呂騎手だった。
鮮烈な初白星をマークした大江原比呂騎手
中学1年のときに藤田菜七子騎手の活躍に憧れてジョッキーを志したという大江原比騎手は、今年3月に晴れて騎手デビュー。しかし、なかなか勝ち星に恵まれず、初勝利を挙げるまでに89戦を要した。
ただ、その初白星は日本ダービー(G1)やジャパンC(G1)と同じ東京・芝2400mの舞台で、関東リーディングの戸崎圭太騎手が騎乗する1番人気馬をゴール前で競り落とす鮮烈な内容だった。ちなみに、このコースで白星をマークしたJRA女性騎手は大江原比騎手が初である。
そこからわずか3週間、今回は条件がまったく異なる福島ダート1150mの舞台で、2歳新馬のラインパシオン(牝2歳、美浦・水野貴広厩舎)をデビュー勝ちに導いた。好スタートを切ったものの道中は3番手付近で脚を溜め、最後の直線で1番人気馬との追い比べを制する内容だった。
「この週から福島競馬に参戦予定だった小林美騎手が休養となってしまったこともあり、大江原比騎手は現在の関東で唯一となる負担重量4キロ減の騎手となっています。
これから次の新潟開催にかけて、3歳未勝利戦もいよいよ残り少なくなってくる時期。ラインパシオンの騎乗も良かったですし、斤量面でアドバンテージのある大江原比騎手に期待を寄せる陣営も増えてくるはずです」(同)
通算2勝目を挙げた大江原比騎手はレース後、「馬の力で勝たせてもらいました」と、あくまで謙虚な姿勢だった。ラインパシオンは2008年のファンタジーS(G3)を勝ったイナズマアマリリスの仔となる。これから2歳戦で楽しみな1頭となるかもしれない。
女性騎手の相次ぐ戦線離脱は残念だが、ルーキーの大江原比騎手が今夏、成長を遂げるか注目してみたい。