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キャプテン渡辺「神」になる!? 『神の馬券術』大ヒットから1年「買い目がすべて公開されてしまう男」の宿命と逆襲の誓い【特別インタビュー】

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キャプテン渡辺
神の馬券術の伝承者・キャプテン渡辺登場!

「神」は死んだ――のか?

 昨年3月、『神の馬券術 年間収支をプラスに変える43の奥義』(KADOKAWA)が競馬関連の書籍としては異例のヒットを飛ばした。どれくらい売れたのかというと、発売から約1年4カ月がたった今なお楽天ブックスのギャンブル部門において「1位」にランクインし続けているくらいだ。

 そして、この43の奥義を誇る神の馬券術の使い手こそ、毎週土曜日の『ウイニング競馬』(テレビ東京)でお馴染みのお笑い芸人・キャプテン渡辺である。

 何故、この『神の馬券術』が多くの競馬ファンに支持されたのかは、彼の予想が当たるから……いや、彼の予想、そして思考に従っていれば「馬券で勝てる」からだ。

 毎週、自分の予想が『ウイニング競馬』、そして自身のYouTube『くず競馬チャンネル』で公開されており、公開後の追加の買い目、いわゆる“買い足し”は一切なし。表に予想を出す人間として、これだけ明々白々な人もそうはいないだろう。

 しかし、この2024年上半期は収支において大苦戦……完璧に極めていたはずの馬券術が崩壊の危機を迎えている。

 一体、キャプテン渡辺に何があったのか? そして、神の馬券術はもう輝きを失ってしまったのか。当サイトで好評連載中のコラム『徒然なる神のくず競馬トーク』の筆者でもある本人を直撃してみた。(一部敬称略)

 

2024年の上半期苦戦の「理由」は、まさかの……


――本日は、よろしくお願いいたします! 今回は宝塚記念(G1)も終わったということで、2024年の上半期を振り返っていただきます。我々も毎週『ウイニング競馬』や『くず競馬チャンネル』をチェックしていますが、今年は特に苦戦されているような印象を受けています。

キャプテン渡辺:よろしくお願いいたします! いやあ、苦戦というか、大苦戦ですね。特に『くず競馬チャンネル』の方はひどい……。

――決して的外れな予想になってるわけではないんですが、例えば馬連が1、3着だったり、ワイドが2、4着だったり……。馬券が不調な時の「あるある」と言えばそれまでなんですが、ちょっと悪い循環に入ってしまっているのかなと。

2024年上半期は、まさかの大苦戦……
2024年上半期は、まさかの大苦戦……

キャプテン渡辺:正直、何故こうなっているのかわからないんですよねえ。周りの人からは(基本的に少点数なので)「100連敗もあり得る買い方ですよ」とか言われるんですけど、さすがに100連敗はないにしても「ここはしょうがない」と思って我慢しています。

――『神の馬券術』に「単勝を制する者は馬券を制す」とある通り、主力の単勝はこの春も何度かヒットしていますが、例えば桜花賞(G1)のステレンボッシュ4.3倍とか、先日の函館スプリントS(G3)のサトノレーヴの3.6倍の的中など、以前に比べて最近は全体的に少し堅い馬券になっている印象があります。

キャプテン渡辺:ああ、それはですね、実は理由があるんですよ!

――まずは安くとも的中を拾ってリズムに乗りたいとか?

キャプテン渡辺:いえ、これを言っちゃいけないのかもしれませんけど……オッズがね、下がるんですよ~。

――つまり、たくさんの人がキャプテンさんの予想に乗って馬券を買うから、必然的にその買い目のオッズが下がるということですか? それでキャプテンさんの予想が的中しても、結果的に配当が低くなってしまって……。

キャプテン渡辺:ある程度は仕方ないと思ってるんですよ。でも穴馬って、(その馬の)馬券が売れてないから穴になっているわけで、ちょっと売れたら急激にオッズが下がるじゃないですか。馬連100倍のが、あっという間に60倍になってたり、穴であればあるほどオッズの下がり幅が大きくて……。穴が穴でなくなってしまうというか、穴馬を狙う意味がなくなってしまう。だから最近は、その影響ができるだけ小さい人気の馬を意図的に選ばざるを得ないんですよね。

――つまり、元々たくさん投資されている人気の馬であれば、キャプテンさんの予想に乗った人たちが馬券を買っても、オッズの低下が抑えられる。

キャプテン渡辺:そうなんですよ。だから最近は、特に『くず競馬チャンネル』では2頭で迷ったら、人気のある馬の方を選ぶようになってしまってますね。

――よく「迷ったら、人気薄の方を選べ」なんて言われてますが、真逆のことをしているわけですね。いやあ、注目される人気者の宿命というか辛いところ……。

キャプテン渡辺:まあ、ありがたいことなんですけどね。ただ僕の場合、点数が少ないから真似しやすいじゃないですか? 仮に100点とか予想してるなら、乗るには最低でも1万円は掛かるわけで。

――確かに! キャプテンさんだったら、だいたい5点以内なので500円あれば丸乗りできますもんね。やはり去年『神の馬券術』が大ヒットした影響も大きいですか?

キャプテン渡辺:それもあるかもしれませんね……もちろん、僕の予想だけでオッズが下がっているわけではないんですけど、やってる本人からすればモロに実感してしまうわけですよ。僕の予想はオッズが命だけに、オッズが下がるのは辛いです。

注目度される人気者の宿命、オッズが下がるのは辛い……
注目される者の宿命、オッズが下がるのは辛い……

これまで「オッズが何より大切」って言ってきましたけど

――『神の馬券術』でも「オッズより大切なものはない」と記載されています。その最も大切な根幹が“異常”をきたしているわけですね。

キャプテン渡辺:それで、最終的にオッズの“下がり率”を考慮して選ばなかった方の穴馬が来たりもしますからね。

――予想的には当たってるけど、馬券はハズレてる……確かに今年のキャプテンさんは、総じてそんなイメージです。

キャプテン渡辺:これまでも僕は「オッズが何より大切」って言ってきましたけど、今の僕自身はもう、そうではないのかも。「おいしい馬券」なんて、もうどこにもありませんし、オッズの妙味で勝負できなくなってる。

――以前『競馬AIゆま』という予想AIが凄く当たると話題になったんですけど、オッズが下がる影響で回収率100%以上を維持するのが難しくなった、という理由で予想の公開を停止したことがありました。

キャプテン渡辺:予想AIはまさにオッズの妙味で勝負してますから、当然そうなってしまうんでしょうね。

――これって『競馬AIゆま』のように、予想の公開をやめれば解決する問題なんですけどね。でもキャプテンさんは立場上、予想の公開はやめられないと思うんですが、その上で非公開の馬券というか、公開した予想の“買い足し”って一切しないじゃないですか。

キャプテン渡辺:それはできないですね。レースが終わって「実は追加で買った馬券が当たってました~」なんて、僕の予想に乗ってくれたファンからすれば一番ムカつくじゃないですか(笑)。

――「ズルい!」って思ってしまいます(笑)。

「後出しじゃんけん」はしません!
「後出しじゃんけん」はしません!

キャプテン渡辺:『ウイニング競馬』の予想とかも前日までに提出しないといけないんですが「前日予想は不利だなあ」って思いますよ。当日の馬場も、オッズもわかんないわけですから。

――その上で結果が求められている。

キャプテン渡辺:だから、今後は「オッズが命」という考え方をちょっと変えないといけないのかも。もっとシビアに、大幅な見直しが必要ですね。

――オッズは気にしないということですか?

キャプテン渡辺:さすがに、まったく気にしないというわけにはいきませんが、もし競馬の神様が予想を公開していれば、神様の買い目は絶対1.0倍になるんですよ。

――神様の予想は絶対に当たるわけだから、みんなが買う。

キャプテン渡辺:そう。そう考えれば、今も「どんなオッズでも妙味がある」ということ。例えば、これまでは僕が5倍くらいと予想していた単勝が10倍とか、20倍のときに勝負してたんですけど、これからは7倍くらいでも(勝負に)いく。

――逆に3倍だったら?

キャプテン渡辺:それは勝負できません。ただ、それくらいオッズをシビアに捉えた上で、これは……もはや「正解」を導き出さなければいけないのかもしれません!

キャプテン渡辺「神の領域」に上り詰めていく

――「正解」というと、予想の精度をさらに高めるということですか。

キャプテン渡辺:オッズをシビアに捉えて一発の儲けが少なくなるんだから、それはもう的中率を高めて勝負するしかない。自分の予想の影響でオッズが下がることを考慮して、本来買うべき馬を買わなかったりすると予想全体がブレて、どうしようもなくなるのはよくわかったんで。これからは多少オッズが下がることを見越してでも買います!

――「オッズ」と「自分の予想」のバランスを改めるということですね。

キャプテン渡辺:より「神の領域」に上り詰めていく……(笑)。

新世界の神になる!?
新世界の神になる!?

――神の馬券術の伝承者が、より神に近づくわけですね(笑)。でも、短期間で予想の精度を高めるのって簡単じゃないですよね。何か秘策のようなものがあるんですか?

キャプテン渡辺:実は、以前からずっとやろうと思ってたことがあって。今後は本命が逃げ馬以外の時は、相手に絶対に逃げ馬を入れようと。

――『神の馬券術』でも「とにかく逃げ馬を狙え!」と記載されていますね。

キャプテン渡辺:今後は「とにかく」じゃなくて「絶対」にしなくちゃダメですね。

――予想の中に、いわゆる「逃げ馬枠」のようなものを機械的に設ける。

キャプテン渡辺:そういうことです!

――「誰がハナに立つのか」予想するのって案外難しいですよね。キャプテンさんは逃げ馬を見つけるのがめちゃくちゃ上手な印象ですが、なにかコツのようなものがあるんでしょうか?

キャプテン渡辺:基本的には、枠順とテンの速さですかね。内枠が有利なのは当たり前ですけど、やっぱりスタートダッシュの速さは重要。

――それは、最初の1ハロン(200m)のタイムとかをチェックされているわけですか。

キャプテン渡辺:いえ、もっと短いですね。最初の50mとか、100mとか。それも騎手にガシガシ追われて出ていくんじゃなくて、自分のスピードでスッと行ける馬が理想的ですね。

――過去のレースのデータを見るわけじゃなくて、レース動画などで判断するわけですね。

キャプテン渡辺:データとか、陣営のコメントとかも大事ですけど、やっぱり過去のレースを直接自分の目で見ることはめちゃくちゃ重要。(ハナ争いをする)相手がどれくらいの勢いで競ってるかもわかりますし。

――そうなってくると、騎手が誰なのかも重要ですか?

キャプテン渡辺:(坂井)瑠星くんとか良いですね。基本的に若手の方が思いっきりよく行って(逃げて)くれる傾向がありますけど、瑠星くんは抜群に良いですね。あとベテランの方だと吉田豊さんとか、ウチパクさん(内田博幸騎手)とかだと、逃げられる馬なら確実に行ってくれますね。僕、もし「逃げ馬選手権」とかあったら、結構自信あります(笑)。

「逃げ馬選手権」は、結構自信あります(笑)
「逃げ馬選手権」は、結構自信あります(笑)

――レースの勝ち負けではなく、誰がハナに立つでしょうか選手権ですね(笑)。

キャプテン渡辺:去年のショウナンマヌエラ(新潟2歳S・G3を10番人気で逃げて2着)とか、他にも「逃げ馬なのに、ちゃんと買っとけよ~!」って後悔したことが一杯あるんですけど、もうあんな思いはしたくないので、これからは「逃げ馬枠」を設けます。

――オッズが根幹にある神の馬券術をアップデートすると同時に、自らの予想精度を高めて「神の領域」へ踏み出していくわけですね。ここからどう進化……いえ、“神格化”していくのか(笑)。2024年下半期の「キャプテン渡辺」が楽しみになってきました。

キャプテン渡辺:僕も、僕自身に期待してます(笑)。ちなみに、今週末のラジオNIKKEI賞(G3)のメイショウヨゾラは絶対に買っておいた方がいいですよ。さっき言った吉田豊さんの逃げ馬なので、確実にハナに立ってくれると思います。

――おおっ、人気もなさそうですし狙ってみます! 本日はありがとうございました。また、コラムの方でもよろしくお願いいたします!

キャプテン渡辺:ぜひ、狙ってみてください! ありがとうございました!(後にメイショウヨゾラは最低人気ながらも果敢にハナを切り、クビ差の4着……まるで、今年のキャプテン渡辺を象徴するような結果に終わることを当の本人はまだ知らなかった――)

■キャプテン渡辺

■キャプテン渡辺 

お笑い芸人。1975年10月20日生まれ、静岡県静岡市出身。A型。放送芸術学院卒業。2005年にお笑いトリオ・キラッキラーズを結成。現在はピン芸人として活躍中。土曜の競馬中継「ウイニング競馬」(テレビ東京)レギュラー。競馬予想術の粋を集めた自著「神の馬券術」(KADOKAWA)が好評発売中

浅井宗次郎

浅井宗次郎

1980年生まれ。大手スポーツ新聞社勤務を経て、フリーライターとして独立。コパノのDr.コパ、ニシノ・セイウンの西山茂行氏、DMMバヌーシーの野本巧事業統括、パチンコライターの木村魚拓、シンガーソングライターの桃井はるこ、Mリーガーの多井隆晴、萩原聖人、二階堂亜樹、佐々木寿人など競馬・麻雀を中心に著名人のインタビュー多数。おもな編集著書「全速力 多井隆晴(サイゾー出版)」(敬称略)

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