「106戦1勝」ジョッキーに22鞍の騎乗依頼!? 「トップ10入り」うかがう中堅騎手が地元でよもやの低迷……函館記念(G3)で大どんでん返しあるか
6週にわたる函館開催も今週末の2日間でフィナーレ。来週末からは札幌競馬場に場所を移して、9月1日まで北の大地で熱戦が繰り広げられる。
函館最終日の14日には、サマー2000シリーズの第2戦、函館記念(G3)が芝2000mを舞台に争われる。
人馬ともに函館記念で注目のマイネルクリソーラ
昨年のクラシック戦線をにぎわせたホウオウビスケッツやサヴォーナなど4歳馬が主役候補として名を連ねるが、クラシックとは無縁だった5歳馬のマイネルクリソーラ(牡5歳、美浦・手塚貴久厩舎)も侮れない存在だ。
12日時点で、『netkeiba.com』が公開している予想オッズによると、マイネルクリソーラの単勝は10倍前後で、4番人気とまずまずの支持を得ている。
そんなマイネルクリソーラの心強い味方となりそうなのが、鞍上を務める丹内祐次騎手だ。地元・函館出身の同騎手は、これまでJRAで重賞5勝の実績を持つが、うち3勝(16年函館記念、20年函館2歳S、22年エルムS)を北海道で挙げている。
やはり地元となると気合の入り方も違うのか、競馬場別の成績を見ても、勝率部門は札幌がトップ、連対率と複勝率は函館がトップ。もちろんC.ルメール騎手や川田将雅騎手といった超一流にはかなわないが、誰よりも北海道での勝ち方を知っている中堅騎手の一人といえるだろう。
騎手生活21年目を迎えた今年は、年明けから順調に勝ち鞍を重ね、先週末までに36勝。このペースを維持すれば、2年前に記録した自己最多の64勝を上回ることになる。
ただ、今年は得意のはずの地元で低迷する事態に陥っている。
丹内騎手は先月8日の開幕日から一貫して函館で騎乗を続けているものの、これまで106戦して僅か1勝。1年前には8勝した舞台だけに、本人もここまで勝ち運に見放されるとは思っていなかったはずだ。
ただし、全く精彩を欠いているというわけではなく、2着が15回、3着も14回と惜しい競馬も多い。複勝率に至っては昨年を凌ぐほどである。それでも本人には、勝ち切れない歯がゆさが当然あるだろう。
そんな丹内騎手にとって13~14日の最終週は汚名返上の大チャンス。2日間で計22鞍もの依頼が舞い込んだ。
一矢報いるためには、やはりマイネルクリソーラを勝利に導きたいところ。これまで同コンビでは7戦2勝、2着1回と相性はまずまずで、前走の新潟大賞典(G3)も7着に敗れはしたが、道中の不利が響いた結果。今回は大外16番枠に収まったが、芝は内側の傷みが進行しており、むしろ外々を回せるのはプラスとなるかもしれない。
現在、全国リーディング10位の西村淳也騎手とは9勝差あるが、自身初のトップ10入りも十分視界に入る。地元開催の最終日に大どんでん返しを演じ、札幌競馬に弾みをつけたい。