G1ホース3頭輩出「名繁殖牝馬」最後の仔が勝ち上がり! 佐々木主浩氏がすべて所有、産駒は8頭中7頭が白星
14日、函館3Rに行われた3歳未勝利(芝1200m)は、3番人気エヴァンスウィート(牝3歳、栗東・友道康夫厩舎)と鮫島克駿騎手のコンビが勝利。6戦目で待望の初白星を手にした。
スワーヴリチャード産駒のエヴァンスウィートは、母がハルーワスウィートで兄姉にG1馬のシュヴァルグラン、ヴィルシーナ、ヴィブロスがいる良血。本馬を所有する「大魔神」こと佐々木主浩オーナーゆかりの血統馬としても知られる。
昨年7月の新馬戦では1番人気に推されたものの、最後の直線で不利もあって3着に敗退。その後もなかなか白星に恵まれず、気づけばデビュー5連敗。今回は2ヶ月ぶりの一戦で初のスプリント戦となった。
16頭立ての一戦でスタートを無難に決めたエヴァンスウィートと鮫島駿騎手は、道中で前から5番手付近を追走。最後の直線で内目からうまく抜け出すと、最後は2着に1馬身1/4差をつける完勝だった。
「前半600m通過は33秒5でこのクラスにしては流れていましたが、エヴァンスウィートは初の1200mだったにもかかわらず、あまり苦にせず追走していました。兄姉はマイル以上での活躍が目立ちましたが、本馬は短いところにかなり適性がありそうです。
3歳未勝利も残りわずかとなってきただけに、この勝利には佐々木オーナーも大喜びでしょうね」(競馬記者)
ハルーワスウィートの産駒は8頭中7頭が白星
その佐々木オーナーといえば、本馬の母ハルーワスウィートの現役時代から大ファンだったことで知られる。同馬は生まれつき尻尾が無かったものの、懸命に走る姿に惹かれたそうで、繁殖入り後は産駒を全部欲しいと思ったそうだ。
そして実際に初仔のファルスターをセレクトセールで購入して以降、すべての産駒を所有してきた。その中からG1馬が3頭も現れたのだから、まさに馬主冥利に尽きるといえるだろう。また活躍馬を送り出してきたハルーワスウィートも紛うことなく名繁殖牝馬だといえる。
そんなハルーワスウィートも20歳でエヴァンスウィートを出産したのを最後に、繁殖生活を引退している。最後の産駒である本馬が白星を挙げたことで、ハルーワスウィートの仔は8頭中7頭が白星を挙げたこととなった。
レース後、騎乗した鮫島駿騎手は「今日は距離短縮だったので前半から流れに乗せようと意識していた。うまく運べました」と、納得のコメントを残している。もともと晩成型の一族だけに、エヴァンスウィートもこれからの活躍が期待できそうだ。