川田将雅、福永祐一で4連勝した「大器」が重賞初挑戦! ノーステッキで「大差」の日本レコードV…衝撃舞台で完全復調へ
ディープインパクト産駒エスコーラが重賞初挑戦!
21日に行われる今週唯一のJRA重賞・中京記念(G3)。サマーマイルシリーズの第2戦だが、舞台は“小倉競馬場の芝1800m”なので注意しておきたい。
このレースで重賞初挑戦にして初のタイトル獲得を目指すのが良血エスコーラ(牡6歳、栗東・中内田充正厩舎)だ。
ディープインパクト産駒の同馬は、重賞ウイナーでG1でも2着が2回あるサラキアの全弟、G1馬サリオスの半弟となる。その血統背景もあり早い時期から期待の高かった1頭だが、その名が一気に知れ渡ったのがデビュー2戦目、2021年7月に開催された未勝利戦である。
今回の中京記念と同じ小倉・芝1800mの一戦で、エスコーラと鞍上の川田将雅騎手は中団からレースを進めていたものの、向正面の半ばで一気に先頭まで進出。1000m通過は58秒7秒と未勝利にしては速かったが、エスコーラは後続を引き離して勝負どころへと向かっていく。
そのまま最後の直線に入っても差は縮まるどころか、逆に大きく突き放していき、ノーステッキのまま大差勝ち。勝ちタイムの1分43秒8は2014年の都大路S(OP)でグランデッツァが記録したそれを0秒1上回る当時の日本レコード。ここからエスコーラは一気の4連勝であっさりオープン入りを決めたことは周知の通りだ。
川田将雅騎手、福永祐一調教師が将来性を評価
「3勝クラスを勝利した際、当時の主戦・川田騎手に替わって鞍上を務めた福永祐一元騎手(現調教師)は『まだ成長過程。それでオープンまで行けるのだから、ポテンシャルとスケールを感じます』と、エスコーラの将来性を高く評価していましたね。
連勝中には川田騎手も『良くなるにはまだ時間がかかる』と、完成が先であることを話していたことから、一体どこまで強くなるのか期待したファンも少なくなかったと思われます」(競馬記者)
しかし、エスコーラは3勝クラスを勝ち上がったのを最後に、そこから1年4ヶ月もの長期休養に入ってしまう。昨年12月のリゲルS(L)で復帰を果たしたものの3着に敗れて連勝がストップ。その後も7着、9着と精彩を欠く結果が続いたのは、陣営も想定外だっただろう。連勝中は破竹の勢いだったことを考えると、ここ3戦の内容は物足りなさを否定できない。
ただ、復帰後の3戦はすべてマイル戦。エスコーラにとって、ここまで3戦全勝の1800mに距離が戻るのは歓迎だ。姉のサラキアは1800m以上で重賞を勝利しG1でも好走するなど活躍し、兄サリオスも毎日王冠(G2)を2勝するなど芝1800mでは2戦2勝だった。
また、前走の米子S(L)ではキャリアワーストとなる9着に敗れたが、体調が整わずに当初予定していた鳴尾記念(G3)から2週スライドしての出走でもあった。
中京記念が開催される小倉の芝1800mは先述のレコード勝ちを含め、最も得意としている舞台といっていい。ディープインパクト産駒の大器がここで完全復調を遂げたとしても不思議ではないだろう。
※エスコーラは中京記念を回避となりました。