中京記念(G3)ダノンリバティが超抜時計! サマーマイル王を目指す典型的「夏馬」が絶好調モードに入った「明確な理由」
音無調教師が『東京スポーツ』の取材に「前走後は放牧に出すのがもったいないくらいだったんですが、夏に使いたかったので休養に充てました」とコメントしている通り、今春のレースは4月の谷川岳S(OP)の1戦のみ。そこから夏競馬に照準を合わせて休養しただけに、余力は十分というわけだ。
そんな陣営の狙いは、ずばりサマーマイルチャンピオン。昨年は中京記念、関屋記念(G3)、京成杯オータムH(G3)とフル参戦したが結局、関屋記念の2着が最高で戴冠ならず。だが、昨年は春にも3戦しており、最終的にガス欠してしまったようだ。
そんな昨年の反省を活かした今年は、この春1戦のみと休養十分。だからこそ、1戦目の中京記念から猛時計を記録して「獲りに来た」というわけだ。
「昨年はフル参戦に拘りましたが、今年は場合によっては最終戦の京成杯オータムHを使わないそうです。それはつまり、前半の2戦でチャンピオンを確定させてしまおうという陣営の意思の表れ。
ポイント制のサマーマイルシリーズですが、チャンピオンになるにはどれか1レースを勝たなければなりません。ですから、逆に述べれば陣営は今回の中京記念か関屋記念、もしくは両方を勝ちに来ているということでしょう。2戦で決着をつけるには連勝しかありませんが、1着・2着でもほぼ決まり。追い切りの動きは、まさに絶好調といった感じでしたが、それだけのデキにあるということでしょうね」(競馬記者)
昨年の中京記念は5着に敗れているが、出遅れて後方からの競馬となってしまったことが大きい。スタートも含めて如何にも先を見据えた休み明けといった感じで、状態が本物でなかったことは確かだ。だが、それでも上がり3ハロン33.9秒の末脚を見せた最後の直線では、外から鋭い伸びを見せて3着馬とは0.1秒差まで追い込んでいる。
「大型馬ですので、しっかり追い切りの本数をこなして、最終追い切りでベストの状態に持ってこれたかなと思っています。いい時の見た目とほぼ変わらないですね」
夏競馬は中京記念のようなハンデ戦も多く、格よりも勢いや状態がモノを言う。そういった点で、とにかく状態面に自信を持っている陣営のコメントは心強い。「去年よりも力をつけているのでは」と評価される夏馬ダノンリバティが、今年の夏のマイル王に君臨する。