菊花賞も「勝利60%」C.ルメールで間違いない?春のJ.モレイラ凌ぐ「快進撃」に穴党の出番なしか
C.ルメール騎手の快進撃が止まらない。
一時は川田将雅騎手とデッドヒートを繰り広げていたリーディング争いも、先週の開催を終えて142勝の独走。118勝で2位の川田騎手に24勝もの差がついた。6連覇のかかった2022年こそ謎のスランプで川田騎手にリーディングの座を奪われたが、調子を取り戻した昨年に奪還。今年もこのままセーフティリードで独走を決めそうだ。
そんなルメール騎手だが、上半期の重賞勝ちはわずか3勝。スプリングS(G2・シックスペンス)、オークス(G1・チェルヴィニア)、エプソムC(G3・レーベンスティール)で勝利を収めたものの、短期免許で来日したJ.モレイラ騎手の勢いに及ばなかった。
日曜もルメール、月曜もルメール
だが、夏のバカンスから復帰した秋は、春とは別人のような無双ぶり。
9月中山に京成杯オータムH(G3・アスコリピチェーノ)、セントライト記念(G2・アーバンシック)、オールカマー(G2・レーベンスティール)、東京と京都に舞台を移した10月は毎日王冠(G2・シックスペンス)、秋華賞(G1・チェルヴィニア)、府中牝馬S(G2・ブレイディヴェーグ)でG1を含む重賞6勝。騎乗機会10回で6勝と勝率にして驚異の60%。重賞13戦4勝だった春のモレイラ騎手すら上回るハイアベレージを叩き出している。
特に印象的だったのは、その卓越したポジション取りと隙のなさである。上位人気馬に騎乗していることは確かだが、馬場やペースを正確に把握した上で結果を残した。楽勝に見えても他の騎手が騎乗していたなら、取りこぼす可能性も十分に考えられる内容でもあった。
「後ろから前からどうぞといった感じで、まさに完璧超人でしたね。小回りで直線の短い中山もしっかりと届く位置で競馬をしていました。異次元の脚で突き抜けたアスコリピチェーノ、後ろからの競馬が多かったアーバンシックやレーベンスティールもルメール騎手が乗れば好位で差し切り。鞍上強化の効果といっていいでしょう。
スローの前残りだった毎日王冠で好位抜け出しを決めただけでなく、逃げ馬が飛ばした秋華賞では落ち着いて中団前から抜け出し。反対に翌日の府中牝馬Sは後方から大外一気の差し切り勝ち。勝ちを意識して早めに抜け出そうとした川田騎手のマスクトディーヴァにリベンジを決める好騎乗でした。毎日王冠と同じ舞台ながら対極的な乗り方で快勝と変幻自在な騎乗。ここまで来ると馬よりもルメールを買えという気持ちになってしまいそうです」(競馬記者)
そのルメール騎手が今週の菊花賞(G1)でコンビを組むのはアーバンシック。当初は8月新潟の日本海S(3勝クラス・芝2200m)を楽勝したヘデントールとのコンビが有力視されていたが、名手が最終的に選択したのはセントライト記念を制したパートナーだった。
甲乙つけがたい2頭だけに、どちらに乗るのかと注目を集めていたものの、ルメール騎手がアーバンシックを選んだのなら、“そういうこと”なのだろう。昨年の菊花賞では8枠17番に入ったドゥレッツァを緩急自在の逃げで操り他馬を翻弄した。
今週末も何も考えずにルメール狙いが正解かもしれない。