「4億超え」WIN5にまた怪現象?キャリーオーバー夢見るファンを絶望させた「謎の人物」とは

JRAホームページより

 「JRAが指定する5つのレースそれぞれで1着になると思う馬を選び、5レース全ての1着馬を当てる」馬券として知られるWIN5。2014年に払戻金の最高額が2億円から6億円に引き上げられ、これまで数多くのWIN5長者を輩出してきた。

 また、今年は「JRA70周年特別企画!WIN5ボリュームアップキャンペーン」として、11月30日から12月28日までの期間、通常の日曜に加え、土曜にも発売されることが発表されている。もし当たれば一獲千金のチャンスだけに、心を躍らせているファンも少なくないかもしれない。

キャリーオーバー夢見るファンを絶望させた「謎の人物」

 その一方で、売り上げに関しては徐々に減少。ピーク時に34億9934万円(2018年12月28日)をマークすることもあったが、最低売り上げ3億84万円(2017年11月3日)という回もあった。今年のここまでの最高売り上げも7億9261万円(6月23日)であり、エリザベス女王杯(G1)が行われた先週末も6億6423万円にとどまった。

 これが何を意味するのかというと、WIN5の控除率は全券種で最高となる70.0%となっているため、9億円近い売り上げがなければ、独り勝ちをしても6億円を手にすることは叶わないという事実だ。「キャリーオーバー」が発生すれば、売り上げも激増するのだが、直近で実現したのは2020年7月19日が最後。4年以上も出現していないとなると、もはや「都市伝説」のようなものである。

 いくら大金を手に入れるチャンスがあるとはいえ、的中が至難の業である以上、金をドブに捨てるに等しい。それでもまだキャリーオーバーがあるならと期待しても、どういう訳か最後に1票の的中者が存在している。これでは競馬ファンの「WIN5離れ」が加速しても仕方がない。

 エリザベス女王杯でも「4億6496万3450円」という超高配当が飛び出したが、波乱続きの結果にキャリーオーバーを期待したファンを絶望させたのが的中1票の残酷な表示だった。

 しかし、似たような状況が約1か月前にも発生していたことに触れておきたい。

 それは毎日王冠(G2)が行われた10月6日のWIN5である。このときは7番人気→11番人気→4番人気→8番人気と荒れた4レース目の終了時点で13票が残存。最終関門となる毎日王冠を1番人気シックスペンスが勝利したため、複数の的中者がいると思いきや、わずか1票のみ。14頭立てのレースで13票なのだから、一人で13頭を購入していた可能性もある。いずれにせよ、1番人気馬の勝利で1票しか生き残らなかったことは不思議だった。

 そして今回のエリザベス女王杯の回でも同様の事象が発生した。7番人気→7番人気→7番人気→15番人気と4レース目の終了時点で18票が生存。最終関門となるエリザベス女王杯を3番人気スタニングローズが勝利して、的中票は1票のみだった。事前のアナウンスで8頭に票が入っているという情報も出ていたものの、3番人気馬の勝利にしては、18→1は激減にも映った。

 そもそもほぼ単勝万馬券の15番人気ゴールデンシロップが、4レース目のオーロC(L)で大穴を出して時点で、全通り買いでもしていないと拾えないほどの大波乱。これを予想で見事的中したなら素晴らしいが、ただでさえそれまでのレースが荒れていた以上、全通り買いでもしないと生き残れないようなレース結果だったようにも映る。

 ちなみに今年のWIN5で的中1票だったのは、これで3度目。先述した2回に加え残り1回は14番人気テンハッピーローズが優勝したヴィクトリアマイルの週。すでにWIN5長者となった人物が、資金力にモノを言わせて荒稼ぎしているのかもしれない。

 スタートの出遅れ、道中の不利、放馬による競走除外、落馬など、「普通に予想」するだけでは対処できないレースも多々ある。にもかかわらず、こうして毎回のように最後の最後で1票が生き残っているのは、まさに怪現象に近いと言ってよさそうだ。

高城陽

大手新聞社勤務を経て、競馬雑誌に寄稿するなどフリーで活動。縁あって編集部所属のライターに。週末だけを楽しみに生きている競馬優先主義。好きな馬は1992年の二冠馬ミホノブルボン。馬券は単複派で人気薄の逃げ馬から穴馬券を狙うのが好き。脚を余して負けるよりは直線で「そのまま!」と叫びたい。

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