阪神JFで「好走必至」の穴馬が不可解な乗り替わり…「5馬身違う」最強助っ人とC.ルメールの対決も熱い
昨年は優勝馬アスコリピチェーノが桜花賞(G1)で2着に入り、2着馬ステレンボッシュが桜の女王に輝いた阪神ジュベナイルF(G1)。2年前の女王リバティアイランドが牝馬三冠を達成したように、翌年のクラシックに直結するレースとしても知られている。
今年の主役として期待されそうなのは、C.ルメール騎手が騎乗を予定しているブラウンラチェットだ。デビューから2連勝で前走のアルテミスS(G3)を制し、半姉にモンファボリ、半兄にフォーエバーヤングを持つ良血馬でもある。ここで3戦無敗の女王になるようなら、来年のクラシックでも世代を牽引する存在になるだろう。
だが、それ以上に注目を集めるのはL.デットーリ騎手とのコンビで参戦するアメリカの刺客メイディレディかもしれない。
本馬はアメリカ版の阪神JFといえるブリーダーズCジュベナイルフィリーズターフ(G1)でレイクヴィクトリアから1馬身半差の2着。勝ち馬はデビューから無敗の5連勝決めてG1も3連勝中の怪物だ。無敗馬同士の対決に敗れたとはいえ、メイディレディもまた逸材であることに変わりはない。
「余談ですがメイディレディ(May Day Ready)のレディは、Ladyの淑女ではなく準備OKの方の意味です(笑)。馬も強ければ世界のデットーリ騎手も最強外国人騎手。日本でも武豊騎手や横山典弘騎手がリスペクトする超大物の来日は非常に楽しみ。もちろんG1以外のレースにも騎乗するでしょうからワクワクします。
かつて社台ファームの吉田照哉氏が「彼が乗ると5馬身違う」と賛辞した手腕の持ち主だけに、日本の騎手たちのいいお手本となりそうですね。ただ、個人的に狙ってみたい穴馬候補もいます。過去の傾向を振り返れば、アルマヴェローチェは面白い1頭だと思っています」(競馬記者)
名前の挙がったアルマヴェローチェ(牝2、栗東・上村洋行厩舎)は、8月札幌のデビュー戦を勝ち、札幌2歳S(G3)でマジックサンズとハナ差の激戦を繰り広げて2着に入った素質馬である。
このとき1馬身半差の3着だったファイアンクランツが11月の東京スポーツ杯2歳S(G2)で、早くも来年のダービー馬候補という声もあるクロワデュノールから0秒4差の4着に入った。ファイアンクランツを物差しにすると、牝馬相手ならアルマヴェローチェにトップクラスの評価を与えてもよさそうだ。
そして何より心強いのは、札幌2歳Sで好走した馬と阪神JFのレース相性が非常にいい点。今回はデビューからの2戦で好騎乗を見せていた横山武史騎手から岩田望来騎手への不可解な乗り替わりも発生したようだが、岩田望騎手の手綱捌き次第で初G1勝ちのチャンスもあるか。
札幌2歳S好走馬の阪神JF成績
2000年 3着 テイエムオーシャン(優勝)
2003年 3着 ヤマニンシュクル(優勝)
2013年 1着 レッドリヴェール(優勝)
2020年 1着 ソダシ(優勝)
2022年 2着 ドゥアイズ(3着)
2024年 2着 アルマヴェローチェ