JRA史上”最強”の朝日杯……「怪物」グラスワンダーが見せつけた伝説の「幕開け」と衝撃
今年も2歳王者を決める朝日杯フューチュリティS(G1)がいよいよ開幕する。
今回はダノンプレミアム、タワーオブロンドン、ステルヴィオなど将来性を期待される素質馬に加えて、カシアス、アサクサゲンキなど重賞制覇の経験を持つ馬も顔を揃える。
朝日杯FSは前身の朝日杯3歳S時代から、翌年のクラシックを占う上で重要なレースとして位置づけられている。そして、過去にはミホノブルボン、ナリタブライアン、バブルガムフェロー、ローズキングダム、ロゴタイプなど古馬になってもさまざまなカテゴリーで活躍する競走馬を輩出した。2014年から中山ではなく阪神競馬場の開催になったが、2歳王者決定戦の位置づけは変わらない。
歴代の名馬たちの登竜門的な側面を持つ朝日杯だが、なかでも未だにファンの語り草となっているのは、「怪物」グラスワンダーが登場した1997年のレースだろう。
95年にアメリカで産まれのグラスワンダーは父シルヴァーホーク、母アメリフローラ、母の父ダンジグという血統。現地のセリ市で25万ドルと後の活躍には見合わない額で落札され、日本のノーザンファーム空港牧場に送られた。
入厩時からその素質を高く評価されていたグラスワンダーは97年9月の新馬戦でデビュー。2番手から4角ほぼ先頭の競馬をして3馬身差で快勝。続くアイビーステークスでは打って変わって後方からの競馬を展開して5馬身差で勝利を収める。さらに重賞初挑戦となった京成杯3歳ステークス(G2)では、1人気1.1倍の圧倒的な支持に応えるかのように、2着に6馬身差つける圧勝を飾った。