JRAルメール「キセキ大暴走」に批判多数も……「チャレンジ精神」には価値がある?
この思いもしない状況に中山競馬場からは悲鳴が。昨年香港以来の出走の中、思い切った押し上げだけでは収まらず、これまでキセキが見せたこともない逃げの形……期待よりは不安が大きくなってしまうのは当然といえるだろう。
ただ、多くのファンは「あのレース」の再現か、と一瞬でも考えたのではないだろうか。ルメール騎乗だっただけに……。
「昨年の日本ダービーですね。ルメール騎手はレイデオロに騎乗しダービー初制覇を果たしましたが、あの時も1000m63秒2という超スローでした。向こう正面でルメール騎手はレイデオロを中団から一気に2番手まで押し上げました。
最後の直線では追いすがるスワーヴリチャードを振り切ってレイデオロが勝利。ルメール騎手の『神騎乗』として話題になりましたね。今回のキセキもそうなのかも……と思ったファンは多かったでしょう。ただ、先頭はさすがにやりすぎだろうとも思ったでしょうが(笑)」(競馬ライター)
大方の予想通り、キセキは最終コーナー手前ですでに手応えが怪しくなり、一度交わしたガンコにあっさり先頭を譲ってしまった。直線ではルメール騎手の必死のムチもむなしくズルズルと後退し、9着惨敗となってしまった。
1番人気だったことも相まって「ルメールひどかったな」「レイデオロと間違ったのか」「さすがにクソ騎乗」と厳しい声が相次いだ。普通にレースをしたとしてもこの日のガンコに勝てたかは微妙かもしれないが、もう少し着順がよかった可能性はあっただろう。ルメール騎手自身は「スローだったからポジションを上げた。リラックスして走っていたけど、最後は疲れた」と語っている。