オークス(G1)武豊マウレア「新脚質」で一気の頂点? 壁を超えるための「長所」
晴れてデビュー戦を迎えると、戸崎騎手を鞍上に迎えて、中団からレースを進めて1着。東京の芝のマイルを走り、上がり最速で勝ち上がった。2戦目の赤松賞も、東京芝1600mで接戦を制して2連勝。しかし、次走の初重賞•阪神ジュベナイルフィリーズ(G1)は、芝の1600mで期待されたが3着に終わる。
「道中は中団で追走して、直線で追い出そうとしましたが、マウレアの前に1着馬が、外側に2着馬がいて、仕掛けが遅れてしまいました。ゴール手前でやっとエンジンがかかり伸びていたので残念でしたね」(同記者)
1番人気に推されたクイーンカップは得意の東京芝1600mだったが、休み明けの上、速いに流れに戸惑い5着。戸崎騎手から武騎手に替わって臨んだチューリップ賞は、中団から最速上がりで追い込んだものの2着。そして桜花賞、阪神芝1600mは力を出せずに5着に終わった。
「あと一歩の競馬が続くマウレアですが、じつは桜花賞では新しい競馬を習得できたので、これは大きかったですよ。スタートして武騎手は、阪神のマイルの外枠だったということもあり、前半は脚を使わずに中団後方から競馬を進めました。これまで6戦してる中で初めて後方を追走する競馬をしたんです。外目をまわり、ラストはいつもの末脚は見られませんでしたが、5着は確保しました。これは本番の2400mでは有効な策だったと思います。中団から前目の位置しか経験していなければ、オークスで引っ掛かってしまう可能性があるので。今回武騎手が馬に控えることを覚えさせたので、次走のオークスで前目につけても掛からないと思いますし、脚質に幅が広げたのではないでしょうか」(同記者)
ディープインパクト産駒は素直で頭がいいと言われている。こういった学習能力は高ければ高いほど、いくつかレーススタイルを試す価値はあるはずだ。マウレアの良さは、末脚のキレであり、6戦して上がり最速が2回、上がり2位が2回。これを活かすには直線一気しかなく、それには道中掛かってはいられない、というわけである。今回の桜花賞の”肉を斬らせて、骨を断つ”方法は、無策で挑むよりも少なからず有効だろう。
「秋以降はさらに走ってくる馬だと思いますが、先物買いで今回のオークスは狙い目ですよ」(同記者)
あとはオークス当日、名手・武豊騎手の手綱捌きに期待しよう。