「武豊と欧州制覇」への足がかり? 「キーファーズ2頭」がフランス遠征、その意図は?
陣営が購入した時から「凱旋門賞に出す」ことを目論んでいた2頭が、フランス遠征で輸送されることが決まった。その馬の名はジェニアル(牡4 栗東•松永幹夫厩舎)と、ラルク(牝5 栗東•松永幹夫厩舎)。まだ条件戦を走っている2頭であるが、コアな競馬ファンはさっそくこの話題でざわついていた。
馬名を聞いてもピーンと来ない方もいると思うのでそれぞれ説明していこう。
ジェニアルはディープインパクト産駒で、株式会社キーファーズの松島正昭氏が2015年セレクトセールで1億6000万円で落札。母•サラフィナは仏オークス(G1)を勝ち、その年の最優秀3歳牝馬に輝いている。凱旋門賞を意識させる血筋だ。「武豊さんと凱旋門賞に行くのが夢。そのために買いました」と松島氏が発言して話題に。新馬戦から武騎手が騎乗しているが、体質が弱く勝ち上がるのに4戦かかった。長い距離ばかり使ってきたが芝1400mの短距離に変え、武騎手も中団から差す競馬を後方から追い込む競馬に脚質を変えたところ、上がり最速で初勝利。9カ月休んだ後に芝マイルの500万下をすぐ勝ち上がったが、1000万下クラスでマイルを2戦しても勝ち上がれず。4歳なので降級制度を利用できるがそれを蹴ってのフランス遠征となる。
「おそらくラルクが降級して走ってもすぐ勝ち上がれなかった経験から、ジェニアルは降級制度を利用しないままフランスへ行くことにしたんだと思います。母の血統からフランスの馬場は合うと思いますが、あとは距離が合うかどうか。最近の走りから短距離馬かもしれないです」(競馬ライター)
そしてラルクもディープインパクト産駒で、松島氏が2014年セレクトセールで1億4500万円で落札。母•ライラックスアンドレースは、米アシュランドS(G1)勝ちなどを含む9戦3勝。半妹にはラッキーライラックがいる。