GJ > 競馬ニュース > 横山典弘騎手の「原点」
NEW

未完の大器・アンビシャスを先行馬に変えた「天才」横山典弘騎手。大胆不敵な奇策の「原点」は宝塚記念に

【この記事のキーワード】, ,
keiba0606.jpg

「僕が今でもジョッキーでいられるのは、ライアンがいてくれたからこそ。これだけのファンがいる馬に携われたことを誇りに思うし、感謝したい」

 今月20日、この日もやはり雨が降っていた。時折雨脚が強まる中、北海道洞爺湖町の旧メジロ牧場・レイクヴィラファームに横山典弘騎手の姿があった。

 老衰のため、今年3月17日に29歳で亡くなったメジロライアンの葬儀並びに納骨式。現役時代に主戦を務めた横山典騎手や奥平真治元調教師ら関係者を始め、数多くのファンが詰め掛け、真新しい墓石に手を合わせた。

 競走馬メジロライアンの名が全国に知れ渡ったのは1990年の春のことだった。そして、その日も雨が降っていた。

 不良馬場の中で行われた皐月賞トライアルの弥生賞(G2)。単勝1.9倍の2歳王者(旧齢3歳)アイネスフウジンを押し退けて、クラシック戦線の主役に躍り出たのが若き横山典弘とメジロライアンだった。

「ゴールの瞬間、この先が全部見えた気がしましたね。皐月賞も、ダービーも」

 騎手4年目を迎えて初めて出会ったクラシック候補。若手だった横山典騎手は当然ながら自分と、そして相棒の明るい未来に期待せずにはいられなかった。

 だが、その年のクラシックで彼らに主役の座は巡ってこなかった。

 クラシック初戦の皐月賞(G1)では後方から追い込んだものの、行き場を失う不利があって3着。続く日本ダービー(G1)では1番人気に支持されながらも、アイネスフウジンの渾身の逃げ切りに屈した。

 当時の観客動員記録を更新した東京競馬場は、アイネスフウジンの主戦・中野栄治騎手を称える『ナカノコール』に包まれた。その一方、1番人気で敗れるという、絵に描いたような”脇役”は、祝福に包まれた輝かしい光景をただ茫然と眺めているしかなかった。

 残された最後の一冠・菊花賞(G1)へ向けて、当然ながら期するものがあった。

 皐月賞馬ハクタイセイも、ダービー馬アイネスフウジンも不在。前哨戦の京都新聞杯(G2)をレコードで制していたメジロライアンは、単勝2.2倍というダービーを超える支持を集め、堂々と最後の一冠に臨んだ。だが……。

『”メジロ”でもマックイーンの方だ! 内田浩一ガッツポーズ! メジロマックイーン!兄弟制覇です! メジロマックイーンです!』

未完の大器・アンビシャスを先行馬に変えた「天才」横山典弘騎手。大胆不敵な奇策の「原点」は宝塚記念にのページです。GJは、競馬、, , の最新ニュースをファンにいち早くお届けします。ギャンブルの本質に切り込むならGJへ!

Ranking

17:30更新
  • 競馬
  • 総合
  1. 「3大始祖」消滅の危機……日本で「2頭」世界で「0.4%」の血を残すべく立ち上がったカタール王族の「行動」に称賛
  2. 横山典弘騎手が若手騎手に「あの乗り方はやめろ」岩田康誠騎手らが実践する「お尻トントン」は、競走馬の負担になるだけ?
  3. 【香港C(G1)展望】BC制覇の偉業から1か月、ラヴズオンリーユー有終の美へ!レイパパレはC.スミヨンと新コンビ、最大のライバルは最高レーティングの英国馬
  4. JRA調教師の目標は「餌やり」からの卒業!? 競馬界の「影の王」ノーザンファーム外厩大成功に存在意義ズタズタ……
  5. 四位洋文騎手が「トラウマ」嘆く……武豊騎手も不快感を露にした昨年「マイルCS」ディサイファの悲劇
  6. 「シャフリヤールの激走はわかっていた」本物だけが知る有馬記念裏事情。そして“金杯”で再現される波乱の結末とは?
  7. エリザベス女王杯「単勝430.6倍」大激走に19歳ジョッキーも「本当に信じられません」。 武豊1番人気がまさかの結末で生まれたJRA・G1最高配当【競馬クロニクル 第30回】
  8. 浜中俊「哀愁」の1年。かつての相棒ソウルラッシュ、ナムラクレアが乗り替わりで結果…2025年「希望の光」は世代屈指の快速馬か
  9. 「死活問題」発生に競馬YouTuberが絶滅の危機!? 突然の動画削除にファンも動揺…… チャンネル配信者らに何が起こったのか
  10. エアスピネル降板に武豊騎手は「何」を思う……8年前、すべてを手にしてきた天才騎手が”最大級”の屈辱を味わった「ウオッカ事件」とは