JRA競馬好き3人に1人が「最強」承認!?『ウマ娘』出演の細江純子氏がスペシャルウィークら「黄金世代」を語る


 その頃は、まだ現役の騎手だった細江氏も「あの頃の競馬は1つのレースが点で終わらず線となって繋がっており、それによっての好勝負や、携わる人々の様々な感情が読み取れていたところも。実は勝ち負け以上に、その点が心に響き残っているように思えます」と、当時を振り返っている。

「細江さんがおっしゃる通り、1998年は今から振り返っても内容が濃い。武豊騎手がスペシャルウィークで初めてダービーを勝ったことを始め、夏にはタイキシャトルとシーキングザパールが海外で歴史的なG1制覇。

 そして、何よりこの年を象徴しているのが、今でも『史上最高のG2』と呼ばれる毎日王冠でした。

 当時、無敗だったグラスワンダーとエルコンドルパサーが、宝塚記念を勝った1つ上のサイレンススズカに挑むという構図。東京競馬場にはG2にもかかわらず13万人を超えるファンが押し掛けました。ちなみに今年の日本ダービーの入場者が12万6767人。これだけを見ても、如何に異様な状況だったのかが窺い知れます。

 このレースを制したのは……いえ、後輩2頭の挑戦を軽く一蹴したのがサイレンススズカ。エルコンドルパサーがこの秋にジャパンCを、グラスワンダーも有馬記念を制していることが、当時のサイレンススズカの圧倒的な強さを物語っています。

しかし、そのサイレンススズカが次走の天皇賞・秋でまさかの予後不良。主戦の武豊騎手は泥酔して泣きに泣いたそうです。そういったところが細江さんの言う『点で終わらず線となって繋がっている』ということなのかもしれません」(同)

 アニメ『ウマ娘』を見て、1998年の競馬を懐かしんだ競馬ファンも多かったのではないだろうか。今を持って燦然と輝く「黄金世代」。かつての彼らを超える夢や感動をファンに与えることが、現役馬やホースマンたちの至上命題であることは述べるまでもないだろう。

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