JRA札幌記念(G2)スズカデヴィアス「好走条件」バッチリ? カギを握るのはなぜかモレイラ?
8月19日、夏競馬の大一番札幌記念(G2、芝2000メートル)が行われる。大一番であるからこそ伏兵たちにも目を配っておきたい。前々走5月の新潟大賞典(G3、芝2000メートル)で初重賞制覇したスズカデヴィアス(牡7歳、栗東・橋田満厩舎)に注目だ。
スズカデヴィアスは34戦5勝の7歳馬。[5-3-3-23]で勝率14.7%、連対率23.5%、複勝率32.3%。超一流馬の数字ではないが、2億円以上稼いでいる馬主孝行だ。昨年6歳から今年7歳にかけての成績は13戦2勝で[2-2-3-6]。勝率15.4%、連対率30.7%、複勝率53.8%。明らかに6歳から好調モードに突入している。着外は6回と少なく、それも4着2回、5着1回だ。
この成績向上には5歳時の2016年12月中京の金鯱賞(G2、芝2000メートル)が関係している。鞍上はテン乗り横山典騎手。それまでは先行策が主体だったが、横山典騎手は最後方ポツンを敢行。結果は10着。ただし、上がり3Fは最速の32.8。これで脚質に幅が出た。脚をためて追えば着実に伸びる。
2017年になっての初戦、1月東京の白富士S(オープン、芝2000メートル)では戸崎騎手スズカデヴィアスは1枠1番から道中は内4、5番手を追走。直線では横山典騎手サクラアンプルールが外から一気に伸びて先頭。追い出しを我慢していたスズカデヴィアスは戸崎騎手のゴーサインが出ると鋭く伸びてサクラアンプルールを差し切った。
続いての参戦が3月開催に変更された金鯱賞。藤岡佑介騎手スズカデヴィアスは中団少し後ろで脚をため、直線で伸びて3着。金鯱賞を連覇したのはヤマカツエース。前回の金鯱賞では着差0.7秒だったが、ここでは0.2秒差まで詰めた。
この2戦で、レースがスロー気味に流れれば中団から鋭い末脚を使える特性が判明した。その典型が前々走の新潟大賞典。ただし、平均ペース以上で流れ、長い持続力を要求されると置かれ気味になってしまい後方から伸びても前に届かない。その典型が前走7月の函館記念(G3、芝2000メートル)。ブレスジャーニーとスズカデヴィアスは後方から伸びたが4着、5着止まりだった。
今年の札幌記念にはマルターズアポジー、クロコスミア、アイトーンと逃げ馬が揃った。マイスタイルも逃げて2連勝でここに臨む。スローに流れることはないだろうが、レース展開を読むのが難しい。先頭集団の直後を取りそうなモレイラ騎手ネオリアリズムの動きがレースの鍵になりそうだ。