JRA「トラブル続き」新馬がデビュー。エポカドーロだけじゃない「最強」藤原厩舎が送り込む逸材
日中の暑さも和らぎ、競馬場での観戦も心地よいと感じられるこの季節。是非、臨場感溢れる競馬場に足を運んでもらいたい。
さて、良血馬たちが続々とデビューを始める中、調教師と併せて注目したい1頭がいる。今期46勝、連対率.437、複勝率.544と驚愕の成績で調教師リーディングを独走する藤原英昭調教師。今週は同師の管理馬で、神戸新聞杯に出走する皐月賞馬エポカドーロに大注目だが、その調教相手の併走馬にも要注意が必要だ。9月22日(土)阪神戦競馬場5R・芝1600m新馬戦に出走する、ヴァンドギャルド(2歳牡 栗東・藤原英昭厩舎)だ。
ヴァンドギャルドの母スキアはG3勝ちの仏国産馬。Sadler’s Wells、Rainbow Quest、デインヒルと欧州の主要血脈を全て持っている。同馬は日本においての2番仔であり、父はディープインパクト。後に一口馬主クラブの社台サラブレッドクラブで8,000万円で募集された1頭。
ヴァンドギャルドは6月にはゲート試験に合格し、社台グループの山元トレーニングセンターで調整され、デビューに向け8月中旬には栗東トレセンに入厩していた。入厩後、9月16日の阪神・芝1800mか、9月22日の阪神・芝1600mを予定していたのだが、ついてないこともあるものだ。9月に入り熱発がみられ、診断結果はナイラと呼ばれる感染症を発症してしまった。
獣医でないと聞きなれない病名だが『馬特有の伝染病で世界的に発生が認められており、日本でも古くから「ナイラ」と呼ばれ良く知られていた。近年は一時期発生がみられなかったようだが、1992年に北海道で集団発生があってから再び発生が確認されている。症状は発熱・膿性鼻汁・リンパ節の化膿性腫張でリンパ節の腫脹は主に頭部で起こり、最後は自潰して膿汁を排出する。膿汁中には多数の菌が含まれており感染源となる。治療にはペニシリンやST合剤が主に用いられる。蔓延防止のために感染馬あるいは保菌馬の隔離が重要』とある。