過去には草野仁が3,800万円獲得! クラブ馬主「サンデーレーシング」とは?
伝統の一戦、第90回中山記念を勝利したドゥラメンテに話題が集中する競馬界だが、関係者の間でさらに大きな注目を集めているのが、ドゥラメンテのオーナーである「サンデーレーシング」だ。
サンデーレーシングは馬主ではあるものの、実際は「一口馬主クラブ」という形態で馬主資格を持たない「一般競馬ファン」がその馬の権利の一部を購入し、馬主気分を味わえるバーチャル馬主システムである。
バーチャル馬主とはいえ、実際に馬代金や保健代、そして毎月の預託料を共有者で分担して負担し、さらには愛馬の優勝時には抽選で口取り撮影にも参加できるのだから、競馬ファンにはたまらないシステムといえるだろう。
サンデーレーシングは、社台グループの生産牧場であるノーザンファームが運営母体となっており、所有馬のほとんどがノーザンファームの生産馬。
さらに社台グループには社台レースホース、社台グループオーナーズ、G1サラブレッドクラブ、シルクレーシングなどの一口馬主クラブがあり、その会員総数は5万人以上ともいわれている。
JRA日本中央競馬会の年間馬主リーディングの常連であるサンデーレーシングは、なんと2010~2013年、2015年で年間最多獲得賞金を記録、そして2016年も現在33勝は2位のキャロットファーム23勝に圧倒的な差を付ける内容である。中山記念を勝利したドゥラメンテを筆頭に三冠馬オルフェーヴル、最強牝馬ともいわれたジェンティルドンナやブエナビスタなど、歴史に名を残す名馬を所有してきたサンデーレーシング。
しかし関西圏、特に阪神の馬主は一口馬主クラブを馬主として認めていない事情がある。特にアドマイヤ軍団で競馬ファンにお馴染みの近藤利一氏や阪神馬主協会の会長である森中蕃氏はクラブ嫌いとして知られており、阪神馬主協会では一口馬主クラブの登録を受け付けていないという。
とはいえ競馬ファンに絶大な人気がある一口馬主クラブは競馬人気の一翼を担っており、またクラブの存在によって多くの資金が生産界に集まることで日本競馬のレベルが向上したと指摘する声もある。
なお中山記念に出走したサンデーレーシングの所有馬は2頭、ドゥラメンテとリアルスティールだが、その募集額は破格だ。ドゥラメンテは1億円でリアルスティールは8,000万円と都内に一戸建てが建つレベル。これを40人の募集枠で受け付けるのだから、ドゥラメンテは一人当たり250万円、リアルスティールは200万円と決して安くはない。しかしあっという間に完売するほどの売れ行きだったという。
しかしドゥラメンテはここまで約4億6,000万円の賞金を稼いでおり、会員一人当たりの配当金はなんと約1,150万円というから驚きだ。また一口馬主クラブは芸能人が所有するケースも多く、ブエナビスタはニュースキャスターとして知られる草野仁氏が所有していた。ちなみにこのブエナビスタは現役時代に15億5,000万円以上を稼いでおり、草野仁氏は3,800万円以上を手にしたという。
サンデーレーシングの現4歳馬世代はドゥラメンテなど80頭が募集にかけられ、38頭が勝利して勝ち上がり率は47.5%。そして一頭当たりの平均獲得賞金は2,797万円となっており、他のクラブと比較しても断然トップの成績。募集額も1,000万円(一口25万円)から1億2,000万円(一口300万円)まで幅広く、ファンの懐事情に合わせて購入できる点も便利といえよう。
一口馬主クラブは馬主気分も味わえ、見る眼があれば数千万円の配当が期待できるというまさに夢の世界。その中でも実績ナンバーワンのサンデーレーシング。競馬ファンでなくても注目しておきたいところだ。