
JRA菊花賞(G1)「乾坤一擲」オウケンムーンが大波乱の使者!? 父オウケンブルースリが成し遂げた「淀の伝説」再び
ここで走らずして、いつ走る――。
伏兵オウケンムーン(牡3歳、美浦・国枝栄厩舎)が、今こそ乾坤一擲の走りを求められている。父は2008年の菊花賞馬オウケンブルースリ。同世代において現在JRAで走っているのはわずか3頭しかおらず、それも牡馬はオウケンムーンただ1頭――。細い、本当にか細い糸を手繰り寄せて「運命の舞台」に辿り着いた。
デビュー2戦目の未勝利戦を6馬身差でレコード勝ちしたオウケンムーンは、そこから一気に3連勝。共同通信杯(G3)を制し、クラシックの有力候補に躍り出た。
しかし、春の二冠は皐月賞(G1)12着、日本ダービー(G1)15着と大敗。クラシックの厚い壁に阻まれ、雌伏の時を過ごさざるを得なかった。ひと夏を越して迎えた前走のセントライト記念(G2)でも10番人気と、重賞ホースの評価は地に落ちたままだ。
だが、一筋の光明が差してきた。セントライト記念の最後の直線、オウケンムーンは最後方で大外を回るという最悪の展開。短い中山の直線では、到底届きそうもない絶望的な位置取りだった。しかし、そこから父譲りの豪快な末脚で5着。勝ち負けに加わることはできなかったが、上がり3ハロンは最速タイと、その末脚には光るものがあった。
「タニノフランケルが大逃げを打って引っ張る流れで、オウケンムーンにとっては消耗戦になったのがよかったですね。上がり3ハロン34.3秒はグレイルと並んでの最速タイですが、こちらが競馬したのは実質最後の1ハロンとちょっと。それだけ最後の脚は際立つものがありました。ここまでずっと地味な存在ですが、如何にも菊花賞に向きそうな馬。タフな流れになれば怖い存在ですよ」(競馬記者)
レース後、オウケンムーンは同厩のコズミックフォースと共に早めの栗東入り。牝馬三冠を成し遂げたアパパネや、天皇賞・春(G1)を勝ったマイネルキッツなどを筆頭に数々の成功を収めてきた国枝厩舎の”十八番”栗東留学を敢行している。
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