シーザリオ、ルージュバック、ハープスター、シンハライト……まさに名牝の歴史が復元した「史上最強の布陣」で挑むキャロットファーム2歳馬が目指すは「クラシック独占」
アスティル
(牝、ステイゴールド×ヒストリックスター 栗東・池添学厩舎)
言わずと知れた2冠牝馬ベガの一族であり、2014年の桜花賞馬ハープスターの半妹にあたるアスティル。
父がステイゴールドに替わったことでパワータイプとなりそうだが、ノーザンファームでは「小柄ながらバネの利いたフットワークは姉を彷彿とさせます」と評され、この馬の牝系が持つ切れ味は健在のようだ。どちらかといえば奥手のイメージがあるステイゴールドだが、牝馬では2歳女王レッドリヴェールのように仕上がりの早い馬も多い。
ミリッサ
(牝、ダイワメジャー×シンハリーズ 栗東・石坂厩舎)
今年のオークスを制したシンハライトの半妹となるのがミリッサだ。父がダイワメジャーに替わったことでマイルに特化しそうだが、姉が2センチ差で取り逃がした桜花賞で、妹がリベンジを果たすシーンがあるかもしれない。
シンハライト以外にも、今年のマーメイドSを制したリラヴァティや、ラジオNIKKEI杯を制したアダムスピークがいるなど、とにかくハズレのない母シンハリーズの産駒。「均整の取れた馬体は、素質馬特有の雰囲気」「大物感は十分」など、やはりノーザンファームの期待も大きいようだ。
とりあえず代表的な馬として上記の5頭に留めるが、他にも昨年の天皇賞・秋2着馬のステファノスの全妹となるグラニーズチップス、2008年のマイルCSを制したブルーメンブラットを母に持つヴィルデローゼ、昨年の京都2歳Sを勝ったドレッドノータスの全弟バルデスなど、クラシック候補を挙げ始めれば枚挙に暇がない。
それにしてもシーザリオに始まり、ルージュバックにハープスター。さらにはシンハライトと、まるでキャロットファームのこれまでの「名牝の歴史」が復元されたような今年の2歳ラインナップ。
「クラシック独占」もあながちハッタリではないように聞こえてしまうほどの豪華さだが、お馴染みの緑に白二本輪、白袖赤一本輪の勝負服が来年のクラシックも沸かせるのだろうか、期待が膨らむばかりだ。