JRA中山金杯(G3)「冬将軍?」タイムフライヤー復活へ和田竜二コンビで一撃狙う
正月競馬は金杯で開幕する。中山金杯(G3、芝2000メートル)に出走するG1馬の1頭がタイムフライヤー(牡4歳、栗東・松田国英厩舎)。G1レースを勝った同じ舞台で復活を果たせるだろうか。
タイムフライヤーがG1レースを制したのが、2017年12月のホープフルS(G1、芝2000メートル)。G1レースに昇格した第1回目だった。当然、昨年の3歳牡馬クラシック制覇を目指すことになったが、皐月賞(G1、芝2000メートル)の前哨戦として選択したのが若葉S(オープン、芝2000メートル)。ファンは1.2倍の単勝1番人気に支持した。
しかし、タイムフライヤーはこの若葉Sで5着に敗れ、暗く長いトンネルに入ってしまう。皐月賞は10着(6番人気)、日本ダービー(G1、芝2400メートル)は11着(14番人気)という惨敗。史上最低のG1馬などとも囁かれた。秋、神戸新聞杯(G2、2400メートル)と菊花賞(G1、3000メートル)でも結果を出せず、昨年は未勝利に終わった。
しかし、昨年の秋から変化を見せはじめたのも事実。神戸新聞杯の追い切りから動きが良くなってきたのだ。1週前追い切りでは和田竜二騎手が跨がり、栗東・CWコースで6F80秒2-1F11秒7という好時計をマーク。和田騎手は「息も乗ってきて動きは抜群でした。体調も良さそうだし、現時点で言うことはない」とコメント。結果は10頭立ての6着だったが、直線半ばまではよく踏ん張っていた。
続く菊花賞の追い切りもよく動いた。着順は神戸新聞杯と同じ6着だったが、勝ち馬から1秒近く離された神戸新聞杯とは異なり、0.5秒差まで詰めている。上がり3F最速の33秒9は5頭が計時。それに次ぐ34秒1を2頭が計時し、そのうちの1頭がタイムフライヤーだった。この6着は好走と言っていい。
競走馬は常に一定の能力で走るわけではない。若ければ成長するし年を取れば衰える。調子がいいときもあれば、悪いときもある。夏に強い馬もいれば、冬に走る馬もいる。早熟の馬がいれば、奥手の馬もいる。
馬の個性という面からタイムフライヤーを見た場合、冬場に強く、しかも遅咲きタイプであるという可能性はないだろうか。