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JRA「悲願」凱旋門賞(G1)アーモンドアイに立ち塞がる「億単位」の壁……日本競馬が50年間「世界の頂点」に立てない理由とは

「かつて異例の長期欧州遠征を行い、凱旋門賞2着だけでなく、フランスのサンクルー大賞(G1)を勝つなどしたエルコンドルパサーも、最初は欧州の芝丈の長さに苦労し、軽い調教でも疲れを見せていたとか。しかし、約半年及ぶ滞在期間の中で現地の馬場に合わせた走法を身に着け、筋肉の付き方も”欧州仕様”に変化していったといわれています。

そういった経緯もあって『凱旋門賞を勝ちに行くなら、長期遠征が一番の近道』という意見は今も根強い。ただ、それには当然”リスク”もあって、例えばエルコンドルパサーの半年間の遠征では億単位の経費が発生しました」(同)

「エルコンドルパサーのように長期滞在した方が有利なのは明らか。でも簡単に行けない事情があるんだよ」と語っているのは、アーモンドアイを管理する国枝調教師その人だ。アーモンドアイの場合は、個人馬主だったエルコンドルパサーと違い、シルクレーシングの持ち馬。長期遠征の壁は決して低くないといえるだろう。

「例え、凱旋門賞のロンシャン競馬場と、ジャパンCの東京競馬場の適性に大きな差があっても、2年連続2着したオルフェーヴルや3着(失格)のディープインパクトのように、日本競馬史上でも指折りの存在であれば、適性の”ハンデ”を跳ね返して優勝することも可能だと思いますね。

そういった意味で、アーモンドアイへの期待度はオルフェ・ディープ級。日本の多くの競馬関係者やファンが『これでダメなら』と思えるだけの存在だと思います。まだ先の話なので、確実に凱旋門賞に挑戦するわけではありませんが、もし出走するのなら日本競馬にとっても歴史的な挑戦になると思います」(別の記者)

 オルフェーヴルが凱旋門賞で2度目の2着に泣いてから、今年で6年になる。日本のホースマンがフランスの頂上決戦に挑戦し始めて50年。絶対能力の高さが”適性の壁”を打ち破る――それが日本競馬が悲願を達成する瞬間なのかもしれない。

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