JRA北村宏司「落馬重傷」の容態、そして全容……「騎乗停止」C.ルメール騎手だけでなく”連鎖”してしまったアクシデントの数々
先週2日のレースで落馬負傷し、戦線離脱を余儀なくされた北村宏司騎手。
船橋市内の病院に搬送された北村騎手は頭部外傷、意識障害、右側頭骨陥没骨折の疑いがあるとのことで当日、翌日の全騎乗馬が乗り替わり。心配しているファンも多いに違いないが、ようやく「詳しい容態」とともにアクシデントの「全容」が見えてきた。
北村騎手にとってこの日、最初のレースとなった中山1R。
1番人気のタマノカイザーに騎乗していた北村騎手だが、最後の直線で最内にいたところを、C.ルメール騎手の左ムチにヨレたノワールムーティエと接触。内ラチと挟まれるような格好になって、馬とともに転倒した。
この結果、ルメール騎手には競馬開催4日間の騎乗停止処分が下ったが、どうやらルメール騎手と接触して落馬した際、北村騎手はまだ軽傷だったようだ。
「北村騎手にとって不幸だったのは、落馬事故が先頭集団で起こったことです。ルメール騎手と接触して落ちた直後は、まだほぼ”落ちただけ”だったんですが、馬群が殺到する最内だったこともあって、後続の馬たちが次々と駆け抜けて行きました。
その中で北村騎手を避けられなかったのが、木幡育也騎手のディーエスマグナムと戸崎圭太騎手のショウナンランナー。ちょうど北村騎手と一緒に倒れていたタマノカイザーに乗り上げるような格好で、木幡騎手も落馬してしまいました。北村騎手のケガの大多数はその時の接触によるもののようです」(競馬記者)
だが、最後の直線で北村騎手が落馬した際、ディーエスマグナムとショウナンランナーはかなり後方にいた。
この時期のダート中距離の未勝利戦らしく、「勝負になる馬」と「そうでない馬」との差が大きく開いていたのだ。馬群はその分縦長で、わずか数秒ながら木幡、戸崎両騎手には「回避するだけの時間」があったはずだった。