JRA金鯱賞(G2)「凡走の番」ペルシアンナイト”負けパターン”の秘密。ただ今回は別?
10日、大阪杯(G1、芝2000メートル)の前哨戦、金鯱賞(G2、芝2000メートル)が中京競馬場で行われる。有力馬の1頭ペルシアンナイト(牡5歳、栗東・池江泰寿厩舎)について検討しよう。
ペルシアンナイトは3歳時、皐月賞(G1、芝2000メートル)で2着だった。秋にはマイル路線を選択。府中の富士S(G3、芝1600メートル)は5着に敗れたが、目標としたマイルCS(G1、芝1600メートル)でG1初制覇を飾った。2000メートルでもマイルでも戦えることが証明された。
昨春の目標は大阪杯と安田記念(G1、芝1600メートル)。大阪杯の前哨戦として選択した中山記念(G2、芝1800メートル)では1番人気に支持されたが5着に凡走。本番の大阪杯では巻き返しには成功したものの、スワーヴリチャードの大駆けの前に3/4馬身差の2着だった。とはいえ、皐月賞に続き2000メートルのG1レースは連続2着。距離適性と能力の高さは示した。春の締めくくり安田記念は6着と凡走したが、前がつまる不利はあった。
昨秋の目標はマイルCSと香港マイル(G1、芝1600メートル)。マイルCSの前哨戦は前年と同じ富士Sで、前年と同様に5着に凡走する。本番のマイルCSは大阪杯と同じように距離適正と能力の高さを示すも3歳馬ステルヴィオの2着だった。アタマ差の負けは、道中ほぼステルヴィオの直後にいた位置取りの差だったとも言える。神様はステルヴィオに微笑んだのだ。香港マイルは5着に凡走。
こうしてペルシアンナイトの3歳秋と昨年の戦歴を振り返ると非常にわかりやすい。つまり、目標とするG1レースの前哨戦では凡走、本番では大幅にパフォーマンスを上げて好走、叩き3戦目は凡走ということになる。今年も春の目標は大阪杯で、その前哨戦がこの金鯱賞。パターン通りに走れば凡走することになる。
もう少し詳しく考察してみよう。なぜ前哨戦では凡走するのだろうか。前哨戦だった2度の富士Sと中山記念の馬体重はいずれもマイナス。余裕残しの仕上げだったようには思えない。ならば、気性面や体質面の関係で一度叩いてパフォーマンスアップする馬だとも考えられる。もう1つ、富士Sで2度凡走しているのは府中のワンターンのマイルが苦手だからと考えても良さそうだ。
実際、昨年の安田記念は2番人気に支持されながら6着だった。府中戦績は【0・1・0・4】。明らかに府中のマイル向きではないようだ。中山記念の凡走は別にして、前哨戦の凡走はコース(府中)が合わなかったからだと想定すれば、もしコースが合えば前哨戦だからといって好走する可能性も出てくる。