JRA「世代交代」失敗……高かったアーモンドアイの壁! ジャパンC(G1)完敗のコントレイル、デアリングタクトは「新女王」グランアレグリアに勝てるのか

 29日、東京競馬場で行われたジャパンC(G1)は、8冠馬アーモンドアイが無敗の三冠馬2頭の挑戦を退けて優勝。競馬史上初となる注目の一戦を制し、自身の引退に花を添えた。

 秋の天皇賞(G1)で達成した8冠をさらに更新する9冠を成し遂げ、名実ともに最強馬の称号を手に入れることに成功したアーモンドアイ。19億円を超える生涯獲得賞金額は、キタサンブラックの18億7684万3000円を抜き、獲得賞金ランキングで歴代1位に躍り出た。

 最愛のパートナーを勝利へと導いたC.ルメール騎手は「さすがアーモンドアイでした。今回も素晴らしい脚を使ってくれた。絶対に日本で一番強い馬です」と賛辞を惜しまなかった。

 また、所属するシルクレーシングの米本昌史社長は12月19日に中山競馬場で引退式を予定していることを発表。今後は繁殖牝馬として後継馬の誕生が期待される。

 華々しい引退を飾る9冠馬に対し、厳しい現実に直面することとなりそうなのが敗れたコントレイルとデアリングタクトだ。3頭の対決はこれが最初で最後。最強女王を倒すチャンスは、このタイミングしかなかった。

 世代交代を告げる千載一遇の機会を逃がしただけでなく、2着に敗れたコントレイルとは1馬身1/4差、3着デアリングタクトはさらにクビ差の後れを取った。レース展開と馬場を完璧に読んでいたルメール騎手の好騎乗もあったとはいえ、これは完敗と言わざるを得ないだろう。

 15頭立てのレースは、キセキが1000m通過57秒9のハイペースで逃げたこともあり、引き締まった流れ。各馬の騎手には仕掛けるタイミングの的確さも求められる結果となった。

 先に抜け出したのはアーモンドアイ。デアリングタクト、コントレイルは外から追い上げを図る。3歳2頭は懸命に追い上げたものの、最後まで女王の影を踏むことが出来なかった。

 レース後、コントレイルの福永祐一騎手は「最後は苦しくなって左にもたれていました」と実力は発揮できたと振り返り、デアリングタクトの松山弘平騎手も「内へ内へもたれていました。苦しくなったのだと思います」と完敗を認めるコメントを残した。

「これまで同世代を相手に圧倒してきた2頭ですが、アーモンドアイとの対戦で初めて自分よりも強い馬と走ることになりました。福永騎手、松山騎手のいずれも内へもたれたとコメントしたことも、お釣りがない全力を出し切ったからこそでしょう。

単純比較はできませんが、着差だけなら天皇賞・秋で2着に入ったフィエールマンや3着クロノジェネシスの方が善戦したと考えることも出来ます。アーモンドアイが引退したからといって、これから三冠馬2頭の時代が来るのかとなるとまだわかりません」(競馬記者)

 さらに大きく立ちはだかりそうなのが、安田記念(G1)をアーモンドアイに2馬身半差で圧勝してみせたグランアレグリアの存在だ。秋はスプリンターズS(G1)、マイルCS(G1)を連勝し、向かうところ敵なしといえる勢いで快進撃を続けている。

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