JRA「汚名返上」断然人気を裏切ったガッカリ超良血馬がガラリ一変! 福永祐一ゆかりの血統馬ルペルカーリアは一族の無念を晴らせるか

 30日、中京競馬場で行われた5R・3歳未勝利(芝2000m)は、福永祐一騎手の1番人気ルペルカーリア(牡3、栗東・友道康夫厩舎)が優勝。昨年4着に敗れたデビュー戦から変わり身を見せ、単勝1.8倍の断然人気に応えた。

 父はモーリス、母は日米オークスを優勝した名牝シーザリオ。半兄には昨年無敗で牝馬三冠を達成したデアリグタクトを出したエピファネイア、2018年のホープフルS(G1)、19年の皐月賞(G1)を制したサートゥルナーリアもいる超良血馬だ。

 ルペルカーリアは母の現役時代に主戦を務めた福永騎手にとってもゆかりのある血統。今年のシンザン記念(G3)をピクシーナイトと制した得意コースで人馬が躍動した。直線で伸びを欠いた前走から12キロ増と、逞しさを増した馬体からは成長力も予感させる。

 敗れた前走で福永騎手は「まだギアが上がらないというか……。成長待ちだと思います」とコメントしていたが、馬体を増やした今回はしっかりと勝ち切った。一族の癖を知り尽くした名手も、まだまだ粗削りな原石の勝利に手応えをつかんだに違いない。

 12頭立てのレース。好スタートを決めたルペルカーリアは外目の好位を追走。道中は口を割り行きたがる素振りを見せる。お世辞にもピタリと折り合ったようには見えない道中の行きっぷりではあったものの、この血統らしい元気の良さといえるだろう。

 余力十分に最後の直線を迎えると、楽な手応えで後続を問題にしなかった。重馬場の開催で時計こそ目立たないが、上がり3F最速の脚で3馬身差なら十分な評価に値するのではないか。

「エピファネイアと似た走りでしたね。掛かり通しだった道中の感じに不安を覚えましたが、まったく問題なかったです。馬体も増えましたし、デビュー戦はまだ能力に体が追いついていなかったのかもしれません。

現在の中京は使い詰めでかなり力のいる馬場になっているのも、切れ味で見劣る傾向のモーリス産駒であるこの馬に向いたと思います。真価を問われるのは次走でしょう」(競馬記者)

 仕切り直しの一戦をモノにしたのは好材料だが、大目標である日本ダービー(G1)を目指すには東京コースの克服が新たな課題となる。東京の芝2400mで行われるクラシック最高峰の舞台でエピファネイアもサートゥルナーリアも人気を背負いながらも敗れている。

 一族の無念を晴らすためにも、3戦目となる次走でどのような走りを見せるか注目したい。

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