JRA グランアレグリア、サリオス「距離誤認」疑惑で幻となった頂上決戦! 大阪杯(G1)超豪華メンバー激突の裏で、触れてはいけない歴史的名馬の存在とは

 川田将雅騎手とダノンスマッシュのコンビが悲願の国内G1制覇に歓喜した先週の高松宮記念(G1)で3月の開催も終了。今週から4月に入り、いよいよクラシックも幕開けとなるが、その前に最注目となるのが4日に阪神競馬場で行われる古馬の中距離チャンピオンを決める大阪杯(G1)だ。

 17年からG1に昇格したこのレースの勝ち馬はこれまでキタサンブラックを筆頭に、スワーヴリチャード、アルアイン、ラッキーライラックなど、いずれもG1ウィナーの名に恥じない実力馬を輩出している。

 今年は昨年の牡馬クラシックで無敗三冠を達成したコントレイル、最優秀短距離馬グランアレグリアに加え、コントレイルに次ぐ世代NO.2の呼び声高いサリオス、デビューから無敗の5連勝でチャレンジC(G3)を制し、デアリングタクトに匹敵すると噂されるレイパパレも参戦する。

 史上最高のハイレベルといわれた昨年のジャパンC(G1)は、アーモンドアイ、コントレイル、デアリングタクトという新旧三冠馬の対決で盛り上がったが、大阪杯もこれに劣らぬハイレベルの戦いが繰り広げられるに違いない。

 その一方、この超豪華メンバーの激突にはグランアレグリア、サリオスという2頭の路線変更によって成立した側面もある。

 グランアレグリアは大阪杯と同じ2000mのレースどころか、1800mのレースすら使われたことがない。これまで勝利を挙げたG1の最長距離は1600mと距離延長の不安はあるが、同馬を管理する藤沢和雄調教師が『スポーツ報知』の取材に対して答えたグランアレグリアへのコメントがカギとなりそうだ。

 藤沢師がスプリンターズS(G1)の後に「1200mは向かない。使うところを間違えたよ」と冗談交じりに話していたことからも、少なからず秋の天皇賞(G1)も候補に入っていたことを窺わせる内容だ。

 もう1頭のサリオスは皐月賞(G1)、日本ダービー(G1)でともにコントレイルの2着に敗れたとはいえ、中距離への適性をむしろ証明する内容だったともいえる。しかし、サリオス陣営が秋の復帰戦に選択したのは毎日王冠(G2)からマイルCS(G1)のローテーションだったが、グランアレグリアの前に5着と敗れている。

 勿論、2頭の路線選択には一部のファンから疑問の声も出たが、それぞれの陣営にやむを得ない事情があったのではないかという見方もある。

「秋の天皇賞に2頭が出走したら好走の可能性は十分にありました。ですが、いずれもいわゆるノーザンファーム系の馬であることが関係したと考えられます。結果的に天皇賞、ジャパンCと両G1を制したアーモンドアイですが、このときはまだ7冠でした。史上初の芝8冠が懸かった天皇賞制覇は最重要課題であり、安田記念でグランアレグリアに敗れて偉業達成に失敗したアーモンドアイ陣営からすれば絶対に落とせないレース。

同じ東京コースでグランアレグリアに勝てる保証はないだけに、対決を避けたかったのも本音でしょう。サリオスにしてもアーモンドアイの後継筆頭として大きな期待を寄せる馬ですから、各陣営としてもシルクレーシング所属馬同士の”共食い”を避けたい意図もあったのではないでしょうか。競馬ファンの一部で噂されている『使い分け』ですね」(競馬記者)

 秋の天皇賞だけでなく、ジャパンCでは無敗の三冠馬2頭を返り討ちにし、9冠を達成したアーモンドアイは歴史的名馬として引退。これにより、グランアレグリア、サリオス陣営は「忖度」する必要がなくなり、中距離「解禁」となったのが大阪杯への参戦に繋がったとも考えられる。

 一度は幻となった2頭の参戦は、結果次第で今年の中距離戦線の勢力図に大きな影響を及ぼすことは必至である。

 はたして、短距離路線を選択したことが正解だったのか、それとも各陣営の「距離誤認」だったのか、その答えが明らかとなる日曜の夕方を楽しみに待ちたい。

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