凱旋門賞(G1)大本命スノーフォールに「ゴドルフィン」の刺客!? 「この馬はジョッキーの夢」世界的名手が惚れ込む愛ダービー馬がG1・3連勝

撮影:Ruriko.I

 現地時間11日、英国ドンカスター競馬場で行われた英セントレジャー(G1)は、圧倒的1番人気に推されたハリケーンレーン(牡3歳、英・C.アップルビー厩舎)が勝利。今年の愛ダービー馬が単勝1.7倍の人気に応えてG1・3連勝を飾った。

 空前絶後の豪華メンバーと称されている今年の凱旋門賞(G1)に、また1頭の有力候補が加わるかもしれない。

 芝2900m(14.5ハロン)で行われる英セントレジャーは、英国クラシックの最終戦。日本競馬でいえば、菊花賞(G1)にあたる。10頭立てのレースに挑んだ愛ダービー馬は、最後の直線を迎えると先団に取り付き、残り400mでスパート。2着とは2馬身3/4差だったが、着差以上の楽勝だった。

 世界的オーナーのゴドルフィンの所有馬であるハリケーンレーンは、これで愛ダービー、パリ大賞、そして英セントレジャーとG1・3連勝。その充実ぶりも然ることながら、凱旋門賞と同じパリロンシャン競馬場の2400mで行われたパリ大賞を6馬身差で圧勝している実績は大きい。

 そしてこの日、本馬を管理するアップルビー調教師が「凱旋門賞は皆の心中にある」と世界最高峰のレースへの挑戦を示唆。早くも「エネイブル2世」と称されているスノーフォール中心の勢力図に一石を投じる存在になりそうだ。

「今年の3歳牝馬では、英・愛オークス馬のスノーフォールが断然の存在ですが、3歳牡馬も当たり年かも。愛ダービー馬ハリケーンレーンはこれでG1・3連勝ですし、その本馬を英ダービー(G1)で負かしたアダイヤーは、その後にキングジョージ6世&QES(G1)も制して、凱旋門賞の最有力候補に挙げられています。

また、凱旋門賞には進まない可能性があるものの、仏ダービー(G1)を制したセントマークスバシリカも11日の愛チャンピオンS(G1)を制してG1・5連勝中。欧州各国のダービー馬が、これだけ順当に実力を発揮し続けるシーズンは非常に珍しいと思います」(競馬記者)

 英セントレジャーを楽勝したハリケーンレーンについて、主戦のW.ビュイック騎手も「彼はジョッキーの夢だ。乗っていて楽しい」と最大級の賛辞を送っている。

 なお、ビュイック騎手はアダイヤーでキングジョージ6世&QESを制しており、凱旋門賞では本馬に騎乗することが濃厚だ。そんな中でもう1頭の相棒ハリケーンレーンも凱旋門賞へ意欲を見せたことには「決断を急いだりしない」と、“究極の選択”を迫られる未来を予感している。

 今年の凱旋門賞には、日本からもクロノジェネシスが挑戦予定。12日には、前哨戦となるフォワ賞(G2)が開催され、日本の“もう1本の矢”ディープボンドが参戦。そしてヴェルメイユ賞(G1)では、話題の女王スノーフォールがフランスの競馬ファンにお披露目される予定だ。

 10月3日に行われる頂上決戦、第100回・凱旋門賞へ――。いよいよ、空前絶後の出走メンバーたちの“間合い”が詰まってきた。

(文=大村克之)

<著者プロフィール>
 稀代の逃亡者サイレンススズカに感銘を受け、競馬の世界にのめり込む。武豊騎手の逃げ馬がいれば、人気度外視で馬券購入。好きな馬は当然キタサンブラック、エイシンヒカリ、渋いところでトウケイヘイロー。週末36レース参加の皆勤賞を続けてきたが、最近は「ウマ娘」に入れ込んで失速気味の編集部所属ライター。

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