JRA C.ルメール、松山弘平「不在」でわかるジョッキー事情!? 武豊でも福永祐一でもない、関係者から信頼度抜群の「大人気ジョッキー」とは

 現地時間26日、サウジアラビアのキングアブドゥルジーズ競馬場で行われる「2022サウジカップデー」。

 日本からも、メインのサウジC(G1)にテーオーケインズ(牡5歳、栗東・高柳大輔厩舎)とマルシュロレーヌ(牝6歳、栗東・矢作芳人厩舎)が参戦するのをはじめ、計6レースに12頭が登録。異国の地での一発を狙う。

 日本馬の遠征に合わせて、テーオーケインズの主戦である松山弘平騎手のほか、C.ルメール騎手と坂井瑠星騎手もサウジアラビアに渡航。ということは、当然この週末は日本で開催されるレースに騎乗することはできない。

 なかでも松山騎手といえば昨年、JRAだけでも891回の騎乗を記録しており、これは全体トップの数字。今年も先週までの時点で166回騎乗は全体トップを走っており、言わば「最も関係者から人気があるジョッキー」ということになる。

 そこで今回はNo.1の松山騎手をはじめ、3名の騎手が日本を離れるこの週末の“騎乗頭数”に注目。いま業界内で人気の騎手は誰なのか、考察してみたい。


▼今週の騎乗頭数(土日合計)トップ5

1位 23頭 岩田望来
2位 21頭 菅原明良
2位 21頭 幸 英明
4位 20頭 和田竜二
4位 20頭 団野大成

岩田望来騎手 撮影:Ruriko.I

 騎乗数で見ると、先週の京都牝馬S(G3)をロータスランド(牝5歳、栗東・辻野泰之厩舎)で制し、悲願の重賞初勝利を掴んだ岩田望来騎手がトップ。土日とも阪神で騎乗し、騎乗がないのは日曜の4Rだけというフル回転だ。

 岩田望騎手は昨年も891回の松山騎手に迫る889回騎乗を記録しており、今年もここまで144回騎乗は全体3位。若手ではトップクラスの信頼を得ており、今回の重賞勝利をキッカケに、さらなる飛躍にも期待がかかる。

 続いて、前週比で見た際に「+21」と大幅増となっているのが幸英明騎手。というのも、先週は土日あわせて1鞍も騎乗がなかったのだ。

 キャリア29年目・46歳にして、通算のレース騎乗数2万1975回はあの武豊騎手に次ぐ現役2位。今年も先々週までの時点では松山騎手を追う2番目の騎乗数を記録していたが、先週は突然土日とも参加レースが「0」となっており、このご時勢もあってファンからは体調不良を心配する声も上がっていた。

 しかし、24日に週末の予定が更新されると、そこには「幸英明」の文字が。復帰を果たしただけでなく、いきなり土曜に10頭、日曜は11頭を任されているあたり、“鉄人”への信頼度の高さを改めてうかがい知ることができる。

小沢大仁騎手

 また、幸騎手と同じく先週の乗鞍がなかったのが小沢大仁騎手。こちらは1月30日のレースで斜行したため、2月20日まで騎乗停止となっていたが、制裁が明けるこの週末は土日とも9鞍ずつの計18頭に騎乗予定。このチャンスを活かし、関係者にアピールしたいところだ。

 先週まで乗鞍があったところでは、酒井学騎手が12頭から19頭で一気に増加している。

 特に日曜日は7Rを除いて11頭の騎乗予定があり、9Rの松籟S(3勝クラス)では、前走まで坂井騎手が3戦連続で手綱を取っていたスーパーフェイバー(牡4歳、栗東・矢作芳人厩舎)に騎乗予定。酒井騎手と矢作厩舎のタッグとなると、2020年12月12日・阪神12R以来で1年以上ぶりとなるだけに、こちらも注目が集まりそうだ。

横山和生騎手 撮影:Ruriko.I

 最後に、先週はダイヤモンドS(G3)で東京に移動した分もあってか、土日の騎乗数が8頭と少なめだった横山和生騎手も、今週は土日とも小倉に留まり、前週比8頭プラスの16頭に騎乗予定。

 他場での乗鞍もあるなかで、2022年度の小倉開催では12勝を挙げてリーディング争いを快走中。開催が進むにつれて芝の損傷が進み、ファンの間では“魔境”とも呼ばれている困難な状況のなか、65回の騎乗で勝率.185は凄まじい数字だ。

 小倉大賞典(G3)をアリーヴォ(牡4歳、栗東・杉山晴紀厩舎)で快勝した勢いそのままに、冬の小倉最終週を良い形で締めくくることができるだろうか。

文=木場七也(きば・ななや)

<著者プロフィール>
29歳・右投右打。
本業は野球関係ながら土日は9時から17時までグリーンチャンネル固定の競馬狂。
ヘニーヒューズ産駒で天下を獲ることを夢見て一口馬主にも挑戦中。

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