ドウデュース「マカヒキ先輩」の失敗を教訓に準備した「秘密兵器」とは。「凱旋門賞の追い切り代わり」でニエル賞(G2)出陣

ドウデュース 撮影:Ruriko.I

 武豊騎手が長年追いかけ続けてきた凱旋門賞(仏G1、10月2日)制覇の夢。自身10度目となる挑戦がいよいよ3週間後に迫っている。

 まずはその前哨戦にあたる3歳馬限定のニエル賞(G2)が、本番と同じパリロンシャン芝2400mを舞台に11日、23時25分(日本時間)に行われる。

 武騎手の今年の相棒を務めるのは、5月に日本ダービー(G1)を制したドウデュース(牡3歳、栗東・友道康夫厩舎)。ダービー後には凱旋門賞へ直行するプランもあったが、現地でひと叩きされ本番へ駒を進めることになった。

 ドウデュースの秋始動戦として注目されるニエル賞だが、ライバル視されていたフランス馬のオネストが今週になって回避。メンバー唯一のG1馬としてドウデュースへの注目度は現地でも高まっているようだ。

「もともと15頭が登録していましたが、ある程度予想していた通り回避馬が続出してしまいました。パリ大賞(仏G1)を勝ったオネストまで回避してしまったことで、現地でもドウデュース1強ムードが漂っているようですよ。

日本のダービー馬として、ドウデュースには勝って凱旋門賞に向かってほしいところ。ただ、2着に敗れた3月の弥生賞(G2)を見る限り、ひと叩きされた方が良さそうなタイプなのも事実です。陣営もニエル賞はあくまでも『追い切り代わり』と公言していて、そうなると伏兵に足をすくわれる可能性もありそうですね」(競馬誌ライター)

 管理する友道師がニエル賞は「追い切り代わり」と話したのは馬主キーファーズの公式YouTube『キーファーズサロン』上でのインタビュー。同チャンネルでは今月に入ってから、ドウデュースの追い切りの様子や現地入り後の状況など頻繁に動画がアップされている。

 今月1日に公開されたのは、『【ドウデュース凱旋門賞に向けて】G1優勝馬ドウデュースについて友道調教師に独占インタビュー!!』と題された6分ほどの動画だ。

 その中で凱旋門賞へ向けての意気込みを語っている友道氏は、ニエル賞について質問されると、「凱旋門賞の追い切り代わりに(出走させる)。追い切りと馬場のスクーリングを兼ねて使う予定」と話し、あくまでも「前哨戦は前哨戦」というスタンスで臨むことを明かした。

ドウデュースにとって「普段から仲がいい」頼もしい存在も

 また、帯同馬にはかつてのクラシック候補マイラプソディが指名され、一緒に現地入りしている。友道師が「寂しがり屋」と表現したドウデュースにとって「普段から仲がいい」年上のマイラプソディは頼もしい存在になるだろう。

 また友道師といえば、6年前にマカヒキで初めて凱旋門賞に挑戦。その時はニエル賞を制したが、本番では大敗という苦い経験をしている。当時のマカヒキにももちろん帯同馬がいたが、競馬場へは1頭で移動したため、レース前にそれまでになかったような激しい入れ込みを見せたという。

「6年前の教訓を生かすべく、今回は前哨戦も本番もマイラプソディとともに馬運車で競馬場へ移動させるようですね。ドウデュースにとって、マイラプソディは別の意味で頼もしい相棒になりそうです」(同)

 果たしてドウデュースは「公開調教」ニエル賞を勝利して、強豪集う凱旋門賞へと向かうことになるのか。凱旋門賞につながるようなパフォーマンスに期待したい。

中川大河

競馬ブーム真っただ中の1990年代前半に競馬に出会う。ダビスタの影響で血統好きだが、最近は追い切りとパドックを重視。

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