【武蔵野S(G3)展望】ダートの「超新星」レモンポップ5連勝で重賞初制覇なるか

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 3日(木)に開催されたJBCクラシック(G1)は、昨年のJRA最優秀ダートホースに輝いたテーオーケインズが完勝。年末に開催されるチャンピオンズC(G1)では連覇が期待されている。

 そして12日(土)に東京競馬場で行われる武蔵野S(G3、ダート1600m)の1着馬には、そのチャンピオンズCへの優先権が付与される。今年はどの馬が最強ダート馬への挑戦権を手に入れるか、注目の一戦だ。

※画像:レモンポップ

 中でも1番人気に支持されそうなのが、4連勝中のレモンポップ(牡4歳、美浦・田中博康厩舎)。全8戦中6勝を記録し、そのすべてを東京競馬場のダートであげている府中巧者である。

 直近2走はオープン2連勝。昇級戦となった5月の欅S(OP)ではスムーズなスタートから好位につけると、直線に入ってもその脚は衰えず2馬身半差をつけて勝利を飾った。休養をはさみペルセウスS(OP)へ。スタート時に他馬と接触したものの、これを物ともせずに直線で抜け出し勝利。後続を4馬身離し、実力を証明してみせた。

 武蔵野Sの鞍上は、これまでコンビを組んで6勝全勝をあげている戸崎圭太騎手が予定されている。このまま勢いに乗って重賞初制覇を達成したいところだ。

 ただ陣営はフェブラリーS(G1)を来年の大目標としているため、チャンピオンズSに向かうかは不明。不得手な舞台ではなく、得意の府中でG1制覇を狙う可能性もあるだろう。今後の進路は今回の内容次第か。

 1年近く勝利から見放されているタガノビューティー(牡5歳、栗東・西園正都厩舎)は、ここで復活の狼煙をあげたい。

 昨年の武蔵野Sでは1番人気に支持されるも、無念の6着。後方から競馬を進め、最後の直線で末脚勝負に持ち込もうとするも、4角で進路を見失ってしまった。鞍上の石橋脩騎手が外に活路を求めるも届くことはなく、西園調教師が「スムーズな競馬さえできれば」と語っていたものの展開に泣いた。

 その後7戦して2着1回、3着3回、4着3回。掲示板を外さない堅実な走りを見せるも勝利は遠く、あと一歩のところで涙を飲んでいる。

 豊富なキャリアを持つものの、未だダートG1への出走は叶っていない。それだけに今年にかける思いは強いはずだ。鞍上は主戦の石橋騎手が務める予定となっている。

 武蔵野Sがダート3戦目となるギルデッドミラー(牝5歳、栗東・松永幹夫厩舎)には、牝馬初となる当レース制覇が託されている。

 デビューから芝のマイル戦を主戦場とし、3歳時にはNHKマイルC(G1)で3着に入った。だが、その後は思うような結果をあげることができず、陣営は今年の8月からダート転向を決断。

 初戦となったNST賞(OP)で勝利を飾ると、2戦目のグリーンチャンネルC(L)でも2着と好走している。

 三浦皇成騎手は前走後、「一瞬窮屈になりながらも狭いところを割って伸びてくれました。勝ったかと思ったのですが、勝ち馬には最後にまた伸びられました」と悔しさをあらわにしつつも、「ダート適性はとても高いです」とダートでの可能性を感じている。

 ここで結果を残すことができれば、3歳以来となるG1の舞台が見えてくる。ギルデッドミラーは偉業を成し遂げ、再びG1の舞台に返り咲けるか。

 セキフウ(牡3歳、栗東・武幸四郎厩舎)も侮ると怖い1頭だ。

 昨年は兵庫ジュニアグランプリ(G2)で重賞初制覇を達成するも、暮れの全日本2歳優駿(G1)では勝ち馬から1.9秒も離される完敗を喫した。

 今年の春は海外を転戦し、サウジダービー(G3)2着に入ると、続くUAEダービー(G2)では3番人気ながら8着。また帰国後は、ユニコーンS(G3)で9番人気2着と激走を見せるも、続くジャパンダートダービー(G1)では10着と大敗。ハマれば強いが、いい意味でも悪い意味でも未知数の存在だ。

 前走は韓国のコリアC(G3)で3着。日本馬が参戦して初の敗戦という不名誉な記録も作ってしまった。この屈辱をバネにファンを見返す走りに期待したいところだが……。

 これら以外にも今年のゴドルフィンマイル(G2)で15番人気ながら大金星をあげたバスラットレオン(牡4歳、栗東・矢作芳人厩舎)、シリウスS(G3)7着からの巻き返しが期されるハヤブサナンデクン(牡6歳、栗東・吉村圭司厩舎)、昨年の2着馬エアスピネル(牡9歳、栗東・笹田和秀厩舎)、世界的名手R・ムーア騎手が鞍上を務めるデュードヴァン(牡5歳、栗東・池添学厩舎)などが出走を予定している。

 今年の武蔵野Sを快勝し、G1の舞台に殴り込みをかける1頭はどの馬になるのだろうか。発走は15時30分を予定している。

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