ウマ娘「ゴルシ」が新馬デビュー、オーナーのこだわりが詰まった血統に注目

 中央競馬の年内最終開催日となる28日の中山5R新馬戦(芝2000m)に、見る人が見れば「ん?」と目を引く名前の馬がデビューを予定している。その名はメイショウゴルシ。人気ゲーム『ウマ娘 プリティーダービー』(Cygames)に登場するぶっとんだキャラクターでおなじみのゴールドシップ、通称ゴルシをイメージした名前なのは一目瞭然。父の血が強く出ているのか芦毛であることも共通している。

 実際にこうやってゲームに登場するキャラクターにゆかりのある馬名をつけられた馬が登場してくると、一時はツイッターのトレンドにも上がったように、やはり話題となる。

 血統面で言えば父は当然ゴールドシップ。今年で4世代目の産駒がデビューしているが、初年度産駒から札幌2歳S(G3)を制したブラックホールのほか、ウインマイティー、ウインキートスのウイン勢が重賞を2勝、さらにオークス(G1)を制したユーバーレーベンなど勝ち数は少ないが、まずまず順調な種牡馬生活を送っているといえよう。

オーナーのこだわりが詰まった血統に注目

 注目したいのは母系だ。母はメイショウタラチネで、この馬はダートで3勝を挙げただけに留まったが、母の父がメイショウボーラーで母の母はメイショウバトラー。メイショウボーラーはタイキシャトルの代表産駒の1頭でもある。2歳時は小倉2歳S(G3)とデイリー杯2歳S(G2)を4連勝で突破。満を持して臨んだ朝日杯FS(G1)ではコスモサンビームの差しに屈して2着に終わったが、その後も皐月賞(G1)とNHKマイルC(G1)をともに3着、4歳時にはフェブラリーS(G1)を制している。その後も交流重賞やスプリンターズS(G1)で2着するなど、重賞5勝を挙げる活躍をした。

 一方、母の母メイショウバトラーは実に10歳まで現役で走り続け、そのキャリアは実に61戦。勝ちきれないレースが多く、2着12回、3着7回を数えるが、挙げた14勝のうち10勝が重賞という強者でもある。芝での重賞は小倉大賞典(G3)1勝に留まるが、北九州記念(G3)3着、小倉記念(G3)、府中牝馬S(現G2・当時G3)、中日新聞杯(G3)、阪神牝馬S(G2)で2着をマーク。

 ダートに転向して以降、初戦は大敗したがその後重賞を3連勝、その後停滞するも再び重賞4連勝と無類の強さを発揮した。G1ではJBCマイル(現JBCスプリント・G1)とマイルCS南部杯(G1)で2着と一歩届かなかったが、キャリアの半ばから武豊騎手、武幸四郎騎手(現調教師)、福永祐一騎手が入れ替わりで騎乗しており、記録はもちろん記憶にも残る1頭だった。

 さらに母系を遡ると3代父がメイショウホムラ、3代母がメイショウハゴロモとここもメイショウブランド。メイショウホムラはフェブラリーH(現フェブラリーS・当時G3)を勝って93年の最優秀ダートホースに選ばれた1頭。そして、メイショウホムラの母はメイショウスキー。メイショウハゴロモの母はメイショウエンゼルと、4代遡ってもメイショウの名前が出てくるメイショウゆかりの血脈で固められている。

 メイショウゴルシはその名前が表に出てくると、オーナーサイドにも問い合わせが行くほど注目を集めたらしいが、馬名こそ流行りに乗った形でつけられたものの、実はオーナーである松本好雄氏ゆかりの血脈で固められた「こだわりの1頭」なのだ。

 管理する高橋義忠調教師からは「長い目で見て欲しい」というコメントが出ているようで、現時点では初戦から大きな期待をかけている風ではなさそうだが、ウマ娘ファンはもちろん、オーナーの松本氏も活躍を期待している1頭ではなかろうか。

ゴースト柴田

競馬歴30年超のアラフィフおやじ。自分の中では90年代で時間が止まっている
かのような名馬・怪物大好きな競馬懐古主義人間。ミスターシービーの菊花賞、マティリアルのスプリングS、ヒシアマソンのクリスタルCなど絶対届かない位置からの追い込みを見て未だに感激できるめでたい頭の持ち主。

関連記事

競馬最新記事

人気記事ランキング 17:30更新

競馬

総合

重賞レース特集
GJ編集部イチオシ記事
SNS