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【共同通信杯(G3)展望】朝日杯FSワンツーの2頭が早くも再戦!打倒「川田将雅ジャンタルマンタル」へ武豊エコロヴァルツに秘策はあるか

【共同通信杯(G3)展望】朝日杯FSワンツーの2頭が早くも再戦!打倒「川田将雅ジャンタルマンタル」へ武豊エコロヴァルツに秘策はあるかの画像1
ジャンタルマンタル 撮影:Ruriko.I

 11日、東京競馬場では3歳馬による重賞、第58回共同通信杯(G3)が行われる。過去10年の出走馬は計110頭いるが、そのうち12頭がG1馬になっている。昨年は当レースで4着に敗れたタスティエーラが日本ダービー(G1)を制しており、今年のメンバーの中にもダービー馬が潜んでいてもおかしくないだろう。

 そんな出世レースで最大のトピックとなるのが、昨年12月の朝日杯フューチュリティS(G1)でワンツーを決めた2頭の再戦だ。

 同レースでデビュー3連勝を飾り、JRA最優秀2歳牡馬に輝いたのはジャンタルマンタル(牡3歳、栗東・高野友和厩舎)である。

 デビューは昨年秋の京都芝1800m。好位から抜け出す危なげない競馬を見せ、2馬身半差で完勝を収めた。続くデイリー杯2歳S(G2)も好位に位置すると、直線で早めに抜け出す横綱競馬。2~4着に差し馬が台頭する展開をものともせず、難なく押し切って見せた。

 そして迎えた朝日杯FSで鮫島克駿騎手から川田将雅騎手に乗り替わると1番人気の支持を得た。ここでも絶好のスタートを切ると、序盤は外から他の馬を先に行かせて中団を追走。勝負所でやや窮屈になるシーンもあったが、4角手前でインを突いて先団に取り付いていった。

 直線入り口で逃げ馬を射程に入れると、残り400m地点で早くも先頭。徐々に馬場のいい3~4分どころに持ち出すと、ゴール前の急坂をものともせず、力強く伸びて最後まで後続に並ばせなかった。

 今回は1ハロン距離が延びるが、デビュー戦ですでに1800mを克服済み。4連勝を飾って、無敗のまま皐月賞(G1)へと向かうことができるか。

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エコロヴァルツ 撮影:Ruriko.I

 朝日杯FSでそのジャンタルマンタルに1.1/4馬身及ばず2着に敗れたのがエコロヴァルツ(牡3歳、栗東・牧浦充徳厩舎)だ。

 デビュー2戦目のコスモス賞(OP)に続き武豊騎手とのコンビで臨んだ一戦は4番人気の評価。デビューから2戦続けて先行していたが、この日はレース序盤の不利もあって、いったん最後方に下げて大外に持ち出す競馬となる。

 4角でもまだ最後方に位置していたが、直線坂下でエンジンが点火すると、上がり3ハロン34秒1の切れ味を発揮して、混戦の2着争いを制した。

 武騎手は「向正面で掛かった馬にぶつかられて、そこがもったいなかった」と悔やんだが、しっかり賞金加算に成功したところはさすがレジェンドといっていいだろう。

 また、関西圏(京都・阪神)で3戦3勝のジャンタルマンタルに対して、こちらも東京は初お目見えとなるが、デビュー戦で福島、2戦目で札幌と異なる競馬場で結果を残しているのも好材料。初の左回りをこなすことができれば、皐月賞だけでなく日本ダービーも視界に入ってくるはずだ。

 ジャンタルマンタルを逆転するとすれば、勝負所でライバルに早めに競りかけていくか、もしくは前目につけてロングスパートに出るシナリオが考えられる。果たして武騎手はどんな秘策を思い描いているのか。


 朝日杯FSの上位2頭がやや抜けた人気を集めそうだが、ホープフルS(G1)で5着したミスタージーティー(牡3歳、栗東・矢作芳人厩舎)も侮れない。

 こちらは、昨秋の京都で初陣を飾ると、2戦目でホープフルSに挑戦。キャリア1戦ながら7番人気とまずまずの評価を得た。

 陣営も「ここでも力の差は全く感じない」と、2戦目でのG1制覇に自信をのぞかせていた。ところが、レースでは初戦に続きスタートで後手を踏み、後方からの競馬。4角でも12番手という位置取りだったが、直線を向いたときの手応えは抜群だった。

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坂井瑠星騎手 撮影:Ruriko.I

 しかし、肝心の勝負所で前の馬が壁になって鞍上の坂井瑠星騎手は追うことができず。最後の最後に進路が開いたが、5着に追い込むのがやっとだった。

 鞍上は「自分がうまく捌けていればもっとやれていたはず」と悔やむと、矢作調教師は「完全に騎手のミス」と愛弟子に厳しいコメント。さらに「(スムーズなら)勝ちまであったと思います」と、消化不良に終わった同馬の走りを評していた。

 今回は中山から広い東京コースに舞台が移り、前走と同じ轍は踏まないはず。今度こそ直線でアクセル全開といきたいところだ。


 前走G1組に立ち向かうキャリア1戦の2頭も虎視眈々と勝利を狙っている。

 1頭目は昨年暮れの阪神芝1800mを快勝したベラジオボンド(牡3歳、栗東・上村洋行厩舎)。デビュー戦ではスタートを決めて、道中もしっかり折り合い、直線で見せた伸び脚も抜群。まさにテン良し、中良し、終い良しの好内容で、リスグラシューの全弟エボルヴィングに3馬身差をつけており、G1好走馬たちをまとめて負かしてもおかしくない。


 2頭目の1戦1勝馬は、キズナ産駒のジャスティンミラノ(牡3歳、栗東・友道康夫厩舎)だ。デビューは昨秋の東京。好スタートを決めて2番手を確保すると、早めに抜け出して、2着馬に1.3/4馬身差をつけた。鞍上のT.マーカンド騎手は「距離は2400mくらいでも良いと思います」と話していたが、今回は1ハロン短縮して臨む。


 この他には、シンザン記念(G3)5着のショーマンフリート(牡3歳、美浦・手塚貴久厩舎)がC.ルメール騎手と、昨夏の札幌2歳S(G3)で2着に好走したパワーホール(牡3歳、栗東・昆貢厩舎)が田辺裕信騎手と、さらにデイリー杯2歳Sでジャンタルマンタルの2着だったエンヤラヴフェイス(牡3歳、栗東・森田直行厩舎)がR.キングスコート騎手とそれぞれ初コンビを組む予定となっている。

 今年も出走頭数は10頭前後と少数精鋭が見込まれるが、この中から大きく羽ばたく馬は少なくないはず。ジャンタルマンタルとエコロヴァルツに注目が集まるが、2頭以外の素質馬の走りも見逃せない。レースは11日、15時45分に発走予定となっている。

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