かしわ記念(G1)武豊インティ「G1勝ち」はフロック!? 近10年「最も恵まれた」フェブラリーSと解消したい「悪癖」
逆に述べるとフェブラリーSを逃げ切るにはペース的なアドバンテージが必要といえるが、2011年トランセンドは次走ドバイワールドカップ(G1)2着、2014年コパノリッキーもかしわ記念1着と、決してペースに恵まれたことだけが勝因というわけでもない。
したがって最初3ハロン35.8秒から逃げ切ったインティも、フェブラリーSが単なるフロックでない可能性が高いといえるだろう。
武豊騎手が「まだまだ伸びしろもあると思います。ニュースターの誕生ですし、是非これからも応援してください」と話していた通り、今後のダート界を担う存在になるはずだ。
ただ、まだキャリア8戦ということもあって「課題」も残っている。
「この馬は左回りで手前を替えない癖がありますね。フェブラリーSのレース後も野中調教師が『直線で手前を替えていませんでした』と話していた通り、武豊騎手の指示に答えないシーンがありました。
それでも勝ってしまうのが、この馬の底知れないところと言えますが、最後はゴールドドリームにクビ差まで詰め寄られましたからね。
今回のかしわ記念の舞台となる船橋競馬場も左回りですし、チャンピオンズC(G1)が行われる中京競馬場も左回り。インティが今後、ダート界の絶対的な王者になるためには、まずこの”悪癖”を克服することが重要になりそうです」(別の記者)
先月24日に栗東のCウッドで1週前追い切りを行ったインティは6ハロン81.3秒、ラスト12.2秒を記録。最後までしっかりした足取りで駆け抜けており、野中調教師も「前回と同じくらいの体、状態で出走できるんじゃないか」と手応えを感じているようだった。