JRA安田記念(G1)インディチャンプ福永祐一「”祐”言実行」の神騎乗!! 「日本で一番強い馬を負かした」大本命アーモンドアイは出遅れて3着
2日に東京競馬場で行われた安田記念(G1)は、4番人気のインディチャンプ(牡4歳、栗東・音無秀孝厩舎)が優勝。単勝1.7倍の圧倒的1番人気アーモンドアイは3着に敗れた。
昨年の年度代表馬アーモンドアイと、見事な復活を遂げたダノンプレミアムによる「現役最強決定戦」と目されていた今年の安田記念(G1)。しかし、”世紀の一戦”を制したのは、昨年のダービージョッキーが見せた会心の騎乗だった。
「不思議なほど冷静に乗れましたね」
これぞダービージョッキーの貫禄か。16頭立てで行われた芝1600mのレース。アーモンドアイ、ダノンプレミアムら有力馬の出遅れに東京競馬場から悲鳴が上がる一方、「スタートだけミスしないよう、細心の注意を払いました」と福永騎手が話したインディチャンプは好スタートを決め、「アエロリットが逃げると思っていたので、その後ろあたりでもいい」と作戦通りの好位をゲットした。
好スタートからハナを主張したグァンチャーレに対して、内から抜群のダッシュ力を武器にアエロリットが先頭へ。その直後にインディチャンプ。アーモンドアイ、ダノンプレミアムはお互いをけん制し合うように中団の外に位置取った。
縦長の展開ながら、最初の600mは34.5秒と比較的緩い流れ。今の前が止まらない東京競馬場の馬場コンディションを考慮しても、後ろの馬にとっては厳しい展開となった。
アエロリット先頭のまま最後の直線へ、そこへグァンチャーレが競り掛けて早くも叩き合いが始まる。一方、後方ではダノンプレミアムが外から蓋をしてアーモンドアイの進路を潰して先にスパート。鞍上の川田将雅騎手にとっては完璧なシナリオだったが、突如ダノンプレミアムが手応えを失い後退……。ゴール直後、川田騎手はすぐに下馬しており、状態が気になるところだ。
一方、内々で脚を溜めていたインディチャンプは直線で進路を探して外へ、モズアスコットを押しのけるように進路を確保すると、そこから真一文字に伸びた。
「先頭に立つと遊ぶところがある馬なので、最後の直線は前にちょうどいい目標がいて良かったです」
まさに福永騎手の描いた通りのシナリオとなったこのレース。元JRA騎手の安藤勝己氏も「最高のタイミングで追い出し」と絶賛する瞬間にスパートを開始したインディチャンプは、前で競り合っているアエロリットとグァンチャーレに猛然と襲い掛かる。図ったかのようにクビ差だけ前に出たところがゴールだった。