JRA最大の壁エネイブル始動。凱旋門賞3連覇の偉業へ「ハイレベル英G1」でまずは勲章上乗せ
世界最強牝馬が前人未到の大記録を樹立すべく始動する。
今秋の凱旋門賞で史上初の3連覇を狙うエネイブル(牝5歳、英)が、現地6日に開催予定のエクリプスステークス(英G1、芝10ハロン)で今季始動戦を迎える。
エネイブルは昨秋、史上7頭目となる凱旋門賞連覇を達成。その後、アメリカへ渡り、ブリーダーズCターフ(G1)を優勝。一昨年の5月以来、G1・7勝を含む9連勝を成し遂げている。
当初、ゴスデン調教師は、今年の始動戦に5月31日の英エプソム競馬場で開催されるコロネーションC(G1、芝2400m)、もしくは6月19日に英アスコット競馬場で開催されるプリンスオブウェールズS(G1、芝2000m)をあげていた。
だがエネイブル陣営はこれらを回避。同馬のレーシングマネージャーを務めるT.グリムソープ氏は、プリンスオブウェールズSを前に、J.ゴスデン調教師とL.デットーリ騎手のふたりが「ロイヤルアスコットでの復帰は早すぎると感じた」と話し、今後は「エクリプスSを目標」にすると明かしていた。
「昨年、エネイブルは膝の故障などで復帰がずれ込み、結局9月に開催されたダートのセプテンバーS(G3)で始動するという異例のスタート。順調とはとても言えないローテーションでしたが、それにもかかわらず、10月の凱旋門賞、11月のブリーダーズCターフとハードなローテーションでG1を連勝。世界最強牝馬の称号を盤石なものとしました。
今年も始動戦はずれ込んだものの、昨年ほどではありません。デットーリ騎手も『Sky Sports Racing』の取材に対し、『先月乗ったが、状態は上がってきた。準備はできている』と太鼓判を押しているようです」(競馬誌ライター)