2019年JRA新種牡馬紹介その2 非社台系マイナーどころ~ゴールドシップ・ラブイズブーシェ・マジンプロスパー・コパノリチャード~
各種牡馬の現役時代の成績や血統背景を見ると、キズナやエピファネイアのようにクラシックではなく、短距離、ダート、長距離と幅広い適性が見られる。ある意味万能な種牡馬というよりも、各条件のスペシャリストが揃ったといえるだろう。それは種牡馬にとって活躍の場はJRAだけでなく、地方競馬も見据えているからだといえる。
このメンバーで注目を集めるのは、やはりゴールドシップだろう。皐月賞、菊花賞、有馬記念、宝塚記念などG1レース6勝の実績は、社台グループ系種牡馬のキズナやエピファネイアを上回る。あのズブさや気性が産駒に受け継がれるか必見だ。種付け頭数も109頭とまずまずで、初年度から期待したい。
続いて注目するのは完全ダート系種牡馬のマジェスティックウォリアーだ。ベストウォーリアやエアアルマスなど、産駒はダートに高い適性を見せている。地方競馬なら無双するのではなかろうか。種付け頭数も127頭と多いので、地方競馬だけでなくJRAでも初年度のダート路線から活躍しそうだ。
追分ファームが生産したフェノーメノは天皇賞(春)を2勝しているステイヤー。当初は社台スタリオンステーションで種牡馬となったが、昨年からレックススタッドに移動している。初年度産駒は社台スタリオン在籍時のものだが、現状の立ち位置と今後の状況から非社台グループ系種牡馬とした。初年度は社台グループの影響で146頭の種付けを集めた。これは非社台グループ系種牡馬では最多。ただしノーザンファームの生産馬は3頭ほどと少ない。逆に同馬を生産した追分ファームは特に力を入れていると思われ、フェノーメノを管理した戸田厩舎に入るスパニッシュアートは注目の一頭。母はアメリカンオークスの優勝馬で、特に期待していると思われる。
マイナーどころでは、ある程度の種付け頭数があることを踏まえると、ワールドエース(種付け頭数131頭)、トゥザワールド(128頭)、スピルバーグ(101頭)、カレンブラックヒル(103頭)といった社台グループの生産馬が、血統的魅力もあって面白い。ただし現在は社台スタリオンステーションに繋養されなかった時点で、評価が低いことは想像できる。それでもスピルバーグはディープインパクト産駒でもあり、まさかの大化けがあってもおかしくはない。