JRA福永祐一「スタート期待」G1好走プリモシーン覚醒への道! 中京記念(G3)勝利必須で飛躍の秋へ
プリモシーンは右回りコースが不得手なのかというと、そうではない。3歳1月に中山のフェアリーS(G3、芝1600メートル)で重賞初制覇、今年3月には中山のダービー卿CT(G3、芝1600メートル)で2着に好走している。昨年12月、中山のターコイズスS(G3、芝1600メートル)で8着に敗れているが、前が壁になるなどの不利があった。脚を余しての敗北だったと言える。
プリモシーンが左回り、右回りに関係なく凡走、惜敗してしまうことがある大きな理由の1つが出遅れ。出遅れた場合にはポジション取りや展開の不利を受ける可能性が高くなってしまう。今回はヴィクトリアMに続き福永騎手の継続騎乗。スタートに絶対の自信を持つダービージョッキーを信頼したい。
もう1つの懸念が美浦からの長距離輸送。桜花賞(G1、芝1600メートル)では10着、秋華賞(G1、芝2000メートル)では7着に惨敗している。慣れない環境に移動するとテンションが上がってしまうのだろう。現在、美浦の調教コースが改修中ということもあり、陣営は栗東から中京競馬場への輸送を決断。ノーザンファーム天栄から6月27日に帰厩、30日に栗東入りした。
陣営は「環境の変化に敏感なタイプで当初は体が減りましたが、今は戻ってきています。レースまでには、さらに良くなってくると思います」とコメント。1週前追い切りでは栗東・CWで6F82秒3-1F11秒6という好時計を出している。この試みが成功すれば、プリモシーンの競走馬としての幅がさらに広がることになる。
初の中京コース、実質的なトップハンデ、出遅れ、遠征競馬など、克服すべき課題はいくつかあるがすべてクリアしてこそ名牝への道が開ける。ここを勝って秋の目標がマイルCS(G1、芝1600メートル)に設定されれば、再び栗東入厩作戦を使える。必ずやG1を獲ってほしい牝馬だ。