阪神大賞典(G2)馬券に「6,500万円」を投資した「伝説のギャンブラー」が手にした「切なすぎる報酬」とは!?
しかし、さすがは億単位の賭け金が動くG1である。前日に1,222万円が投資されたヒシミラクルの単勝は、レース当日には16.3倍の6番人気まで落ちていた。
これにほくそ笑んだのが『ミラクルおじさん』だ。レースはヒシミラクルが勝利し、1,222万円の16.3倍……つまりは約2億円が懐に転がり込んできたのだから、笑いが止まらなかっただろう。
これには宝塚記念でヒシミラクルに騎乗していた角田晃一騎手も、優勝インタビューで『僕以上の勝負師ですね』と驚きのコメントを寄せている。
その後、「『ミラクルおじさん』は一体誰なんだ」と、しばらく連日のようにワイドショーを賑わせていた。だが、「サラリーマン」「30代」「紳士風」などの俗説が流れたものの、結局正体はわからず仕舞い……。
このように、実際に大金を用意して競馬で1,000万円以上の配当を受けた”真のギャンブラー”は確かに存在している。そんな人々は、一攫千金を狙って馬券を購入している競馬好きにとっては、まるで英雄のような扱いを受けているらしい。
だが、同時に英雄になり損ねた人もいるようだ。
今からちょうど11年前、05年の阪神大賞典(G2)。レースは前年の勝ち馬リンカーンと、重賞を連勝してきたサクラセンチュリーが人気を分け合うと予想されていた。
しかし、ふたを開けてみると前走でようやくオープン競走を勝ったばかりのアイポッパーが1番人気。それも単勝1.9倍の圧倒的な人気である。
それもそのはず、なんとアイポッパーの単勝を500万円も購入した強者がいたのだ。
しかも、”暴挙”はそれだけでは終わらない。なんとこの『ポッパーおじさん(仮称)』は単勝500万円だけでなく、アイポッパーがらみの馬連や馬単も購入。
その総額は「驚愕の6,500万円」である。
もし、アイポッパーがこの阪神大賞典を勝てば、2億円の払戻しを受けた『ミラクルおじさん』など目ではない。わずか数分で、最低でも総額5億円は下らない払戻しを受けることになる。まさに伝説を超えた究極のギャンブラーの誕生である。
しかし、終わってみればアイポッパーはクビ差届かずの2着。伝説になり損ねた”ただのおじさん”は、わずか数分で6,500万円がすべて紙くずになる方の運命を辿ってしまった……。
ただ、このままでは終わらないのがこの人の凄いところだ。
なんと、その数日後、件のハズレ馬券6,500万円分がヤフーオークションに出品されているではないか。それも最終的に4万4,500円で落札されたらしい……。その転んでもただは起きぬ精神といい、1レースに6,500万円も突っ込める度胸といい、この人も超一流のギャンブラーであることに間違いはないだろう。
それにしても、そのハズレ馬券を買った人は一体何に使ったのだろうか……?