JRA池添謙一騎手のなくならないブラストワンピースへの想い。レース後にそっと顔をなで……
史上稀に見る好メンバーで行われた18日の札幌記念(G2)は、川田将雅騎手が騎乗したブラストワンピース(牡4歳、美浦・大竹正博厩舎)が勝利した。
レースでは内枠の1枠1番を引いたため、終始包まれる苦しい展開だったものの、直線入り口で進路を見出すと猛然と進出。先に抜け出していたサングレーザーをゴール前でクビ差交わして、見事な復活勝利を飾った。
レース後、川田騎手は最内枠を引き、苦しい展開だったものの「最後は力でねじ伏せてくれました。結果が出てホッとしています」と振り返る。そして凱旋門賞を見据えていたこともあり、「この結果を持って、胸を張って日本代表としてレースまでの時間を過ごしてほしいと思います」と期待を寄せた。
ブラストワンピースは始動戦の大阪杯(G1)は6着、続く目黒記念(G2)でも8着と、どちらも1番人気に支持されたものの、結果を残すことができなかった。陣営としてももどかしい思いをしていたはずだが、ついに昨年の最優秀3歳牡馬が復活を遂げた形だ。秋の凱旋門賞に向けて、これ以上ない結果を出すことができたが、この馬の勝利を我がことのように喜んでいる人が、もうひとりいるという。
「主戦を務めていた池添謙一騎手ですよ。口取り式のあとに、そっとブラストワンピースに近づいて、その顔をなでている姿が目撃されています。
池添騎手はデビューから一貫してブラストワンピースの鞍上を務め、2番人気だった日本ダービー(G1)で5着、また1番人気だった菊花賞(G1)で4着と人気を裏切り続けながらも、G1競走3戦目となった有馬記念でついに勝利。大輪の華を咲かせていました。
今年は成績が振るわなかったこともあり、C.ルメール騎手に乗り替わりに。ですが、そのルメール騎手が騎乗停止になった際、一度降ろされたにもかかわらず『ぜひ乗りたい』と”再登板”も受け入れるなど、同馬に強い思い入れがあることでも知られていました。それだけについ出てきてしまったのではないでしょうか」(競馬誌ライター)
池添騎手はどんな気持ちで元相棒のもとに向かったのだろうか? ぜひ、なにかしらの機会にそのときの心情を明かしてもらいたいものだ。