JRA武豊「熱中症対策」に福島の“新兵器”称賛! レース中、競走馬の体温43度「少しでも馬にとって、いい環境で」
今年の夏は、記録的な酷暑だった「昨年に比べれば涼しい」と言われているが、それでも猛暑日には耐え難い暑さになることは少なくない。中でも、炎天下で全力疾走を強いられる「競馬」は、夏の高校野球と並び、熱中症のリスクが最も高いスポーツの一つといえるだろう。
さらに競馬で熱中症のリスクがより深刻なのは、騎手などの人よりも馬である。
JRA競走馬総合研究所によると、人間より暑さに弱いサラブレッドは、気温が28度を超えた段階で熱中症のリスクが高まるという。“人間”が最高気温35度以上を猛暑日、30度以上を真夏日と定めていることからも、馬が如何に人よりも暑さに弱いかがうかがえる。
実際に、馬がレース後に熱中症などの症状によって、ふらつきや転倒に陥るケースもあるというから驚きだ。
無論、JRA(日本中央競馬会)も近年、熱中症を大きく問題視。パドックや待機所付近、装鞍所などにミストを噴霧する装置が設置されるなど、全国の競馬場では様々な熱中症対策が進んでいる。
そういった中、福島競馬場では今夏の開催から、全国で初めて競走馬用の簡易シャワーが導入された。さっそく関係者の間でも評判を呼んでいるようだ。
「レース後に、水で冷やしすぐに熱を取ってやるのは必要なこと。手間が省けたのはありがたい」
『福島民友社』の取材に、そうコメントを寄せたのは国枝栄調教師だ。レース後に厩舎で馬に水をかけるなどの対策は以前から行われていたが、検量室前から厩舎に向かう通り道に簡易シャワーが設置されたことで、より早く体温を下げることができる。
レース中の競走馬の体温は43度を超えるといわれているだけに、この“一刻”が大きな熱中症対策になり得るということだ。福島競馬場では来年夏から、より本格的なシャワー施設を設置する予定だという。
これらの動きに高い関心を寄せているのが、騎手会長の武豊騎手だ。