JRA勢も絶望?フランケル越え怪物登場に来年の凱旋門賞もキツい?
ヨークシャーオークス(英G1)を快勝したエネイブル(牝5歳、英・J.ゴスデン厩舎)。区切りとなるG1・10勝目をあげ、前人未到の凱旋門賞(仏G1)3連覇へ歩を進めた。
今年、日本からはキセキ、ブラストワンピースらが凱旋門賞への参戦を予定しているものの、圧倒的な実力を持つエネイブルの前にはさすがに分が悪いだろう。これほどの実力を持つ馬が誕生するのは、さすが競馬の本場ヨーロッパといったところだ。そして、今年もこのエネイブルに匹敵するスケールを持つ馬が出てきたと話題だ。それがピナトゥボ(牡2歳、C.アップルビー厩舎)だ。
ピナトゥボの父に仏ダービー(G1)などを勝ったシャマルダル、母はLava Flow、母父は2003年の凱旋門賞を制するなど活躍したダラカニという血統を持つ。所有するのはゴドルフィンだ。
5月にデビューを飾るとあれよあれよと3連勝。初重賞挑戦となったヴィンテージS(G2)で1番人気に支持されたピナトゥボは、2着に5馬身差を付けて圧勝。圧巻の実力を見せていた。
そして迎えたヴィンセントオブライエンナショナル(G1)。J.ドイル騎手からW.ビュイック騎手に乗り替わったこの1戦でも、ピナトゥボはその才能を披露する。道中は中団に控えていたが、最後の直線でビュイック騎手に追われるとエンジンが点火。あっという間に後続を突き放し、前走を上回る9馬身差を付けて勝利を収めた。
「ダントツの力を見せましたね。管理するアップルビー調教師も『私が手掛けた2歳馬ではベストホース』と絶賛していたようです。またそれを裏付けるかのように、英国の競馬誌『レイシングポスト』は、独自に作成している『レーシングポストレーティング』でピナトゥボに128をつけています。
かつてこのレースで120以上が付けられたのは、後に英ダービーを制覇したニューアプローチ(123)、英2000ギニーと愛2000ギニーを制覇したチャーチル(120)などがいます。現段階でも、ピナトゥボはこれら以上のパフォーマンスを披露したということでしょう。
アップルビー調教師は次走について、モハメド殿下と相談としながらも、『デューハーストステークス(英G1)に出ない理由はない』と話しています。ここはあのフランケルをはじめ、多くの名馬を輩出した2歳馬の出世レースとも知られています。かつてフランケルはここを勝利した際に126を叩き出しました。ピナトゥボがもし出走すれば、このフランケルに匹敵する数字を出すことも期待されます」(競馬誌ライター)
底知れないスケールを持つ馬が次々に誕生する欧州競馬界。ピナトゥボは過去の名馬たちに見劣りしない成績を残すことができるのだろうか? 今後を見守りたい。