JRA菊花賞(G1)ニシノデイジー「ルメール決定」の舞台裏? 関東の大物調教師が大迷惑した「ルメール・ファースト」を巡る“ドタバタ劇”とは
先週のスプリンターズS(G1)で、もともと浜中俊騎手が騎乗するはずだったタワーオブロンドンに騎乗することとなり、「強奪」との批判もあったC.ルメール騎手。
弱肉強食の世界ながら、“急遽”の乗り替わりに後味の悪い状況もあり得た。だが、見事スプリンターズSを優勝して面目躍如としたところは、さすが2年連続のリーディングジョッキーといったところか。
しかし、この「ルメール・ファースト」を巡るドタバタ劇は、それだけではなかったようだ。
「菊花賞(G1)で騎乗することが決まったニシノデイジーなんですが、もともとルメール騎手は皐月賞馬のサートゥルナーリアに騎乗する予定で、仮にサートゥルナーリアが回避した場合でも、夏に阿寒湖特別(1000万下)を勝ったヒシゲッコウに乗る二段構えでした。
しかし、サートゥルナーリア陣営から『神戸新聞杯(G2)の結果を見てから(菊花賞の出否を決める)』と発表があったので、ヒシゲッコウ陣営はずっと待たされる状況に……。
そこでヒシゲッコウを管理する堀(宣行)調教師が『それならもういい。他の騎手に頼む』と痺れを切らしてルメール騎手を断念。短期免許で来日するC.スミヨン騎手を、新たなパートナーとして迎えることを決めたようです」(競馬記者)
そんな経緯もあってか、“結論”を急かされたサートゥルナーリア陣営は神戸新聞杯の前に、すでに菊花賞へ向かわないことを決めていたという。本馬が神戸新聞杯を圧勝しながらも、早々に菊花賞回避が報じられたのはそのためだ。
しかし、ヒシゲッコウ陣営はスミヨン騎手との兼ね合いもあり、結論発表を待たずにルメール騎手を断念。スミヨン騎手を選択したことで、サートゥルナーリアが菊花賞を回避したルメール騎手は、一時「乗り馬なし」という状況になっていた。
そこで「渡りに船」と言わんばかりに、ニシノデイジーとのコンビが決まった。だが、近しい関係者の話によると、どうやら勝浦正樹騎手の主戦降板が決まった段階で、ルメール騎手のエージェントから『是非お願いします』とアピールがあったという。
ニシノデイジーの西山茂行オーナーは、自身のブログで「本当にルメールが乗ってくれるの?」と驚きと喜びの声を綴っているが、その裏には「ルメール・ファースト」を巡るドタバタ劇があったようだ。
果たして、ルメール騎手はタワーオブロンドンのスプリンターズSの時のように「結果」で、周囲を納得させることができるだろうか。二段構え……いや、三段構えの“超VIP待遇”を維持するためにも、ニシノデイジーの菊花賞でも「さすがルメール」とファンを唸らせたいところだ。