JRA秋華賞(G1)台風直撃で「重の鬼」エスポワール急浮上!? A.シュタルケ「色気十分」で大波乱も?
13日(日)に京都競馬場にて3歳牝馬最後の1冠、秋華賞(G1)が開催される。
人気になると見られるダノンファンタジーをはじめ、重賞勝ち馬や連対馬、桜花賞やオークスで2着、3着の争いをした馬など、実力馬たちが顔をそろえている。
その中にあって、自身はまだ条件クラスなのにも関わらず、熱い注目を集めている馬がいる。それがエスポワール(牝3、栗東・角居勝彦厩舎)だ。これまで5戦3勝、2着1回、3着1回とすべて馬券圏内に入る戦績を収めている。
デビュー戦こそ神戸新聞杯(G2)3着のワールドプレミアや、弥生賞(G2)勝ちのメイショウテンゲンに 後れをとって3着に終わったが、未勝利戦では上がり最速をマークして、1番人気に応えて勝利した。2着とはクビ差だったが、3着は3馬身離す圧巻のレースだった。
この後、2着するも、3歳以上1勝クラスでは1馬身以上の差をつけて1番人気に応える勝利を収める。
本馬の強さを印象付けたのは、前走のシンガポールTC賞(2勝クラス)だ。出走メンバーは本馬を除いてすべて古馬。だが、圧倒的な1番人気に推される。スタートから2番手に付ける積極的なレース運びで、直線では3番手から一気に脚を伸ばし、上がり最速の35.9秒で2着に4馬身差を付ける圧勝。
さらに重馬場で本馬以外はいずれも36秒台を超える上がりだったのだから、3歳時点でどれだけの実力を持っているかうかがい知れるだろう。台風直撃が予想される今週末、高い重馬場適性は、それだけで脅威だ。
血統的にも半兄に青葉賞(G2)勝ち、ダービー3着のアドミラブルがおり、叔父に阪神大賞典(G2)や日経賞(G2)などを勝ったリンカーン、皐月賞馬のヴィクトリーがいるなど、走る資質はそなえている。
これまで本馬はM.デムーロ騎手が主戦を務めていたが、秋華賞ではA.シュタルケ騎手へ乗り替わりになる。
A.シュタルケ騎手は昨年を含め、ドイツリーディングジョッキーを9回獲得。独ダービーやオークス、バーデン大賞といったドイツの主要G1をはじめ、ジョッキークラブ大賞(G1)や凱旋門賞(G1)、キングジョージ6世&クイーンエリザベスS(G1)などヨーロッパの主要G1にも勝利経験のある実力派だ。
今年は春に続いて、2度目の短期免許を取得して騎乗している。残念ながら今年はまだ重賞勝ちはないが、それは重賞で人気薄の馬しか回ってきていないことに起因していると考えられる。
一方で、3月に行われた金鯱賞(G2)では、のちの宝塚記念馬リスグラシューを5番人気ながら2着に持ってくる好騎乗。人気はそこそこでも実力のある馬をきっちり走らせるテクニックはさすがドイツのリーディングジョッキーといったところか。
今回の本馬も重賞への出走経験がなく、人気になる要素はあまりない。だが、その実力は前走で示した通り、3歳牝馬とは思えないものを持っている。そこに実力馬を走らせるシュタルケ騎手とコンビを組むということで、十分期待を持てるだろう。
秋華賞はローズS(G2)組が強い傾向にあるが、前走条件戦でも好走している例は少なくない。規格外の実力を持つ本馬であれば、秋華賞制覇も決して夢物語ではないはずだ。