武豊の菊花賞5勝なるか!過去の優勝馬と当時の盛り上がりを検証~スーパークリーク・ディープインパクト・エアシャカール・ダンスインザダーク~

 

 今週行われる菊花賞はヴェロックスと川田将雅騎手、そしてニシノデイジーとクリストフ・ルメール騎手のコンビに注目が集まっているが、もう一つ武豊騎手の記録も話題となっている。

 武豊と菊花賞といえば、武豊がデビュー2年目で初めて勝利したG1レースでもある。そしてここまで菊花賞を4勝しているが、なんと昭和と平成で勝利しており、今回勝てば令和を加えて3つの元号での菊花賞勝利という記録になる。

 さらに菊花賞は史上最年少勝利の記録を持っており、今回勝てば史上最年長勝利の記録もついてくるのだ。まさにマスコミ受けする話題性十分の菊花賞と言っていいだろう。今回のワールドプレミアとのコンビがどんな結末を迎えるかはわからないが、その前に過去4つの勝利を振り返ってみたい。

 最初の勝利は1988年の菊花賞馬スーパークリークだ。同馬は長距離戦の菊花賞と天皇賞・春を勝利することを前提に、あのマイネル軍団でおなじみの岡田繁幸氏が配合を決めたという逸話がある。その目論見通りに菊花賞と天皇賞を勝ち、しかも秋の天皇賞も勝利して天皇賞春秋連覇を達成。

 名伯楽伊藤修司調教師の最高傑作であり、まさに昭和を代表する名馬と言っていいだろう。同馬は皐月賞と日本ダービーには出走せず、賞金が足りず権利もなかった菊花賞も抽選待ちであった。武豊は他にも数頭のお手馬がいたが、スーパークリークでの出走を優先していたという。他の関係者の協力もあって回避馬が出たこともあり、何とか出走にこぎつけると、3番人気に支持され2着に5馬身差を付けて勝利した。

 続いては1996年に優勝したダンスインザダーク。サンデーサイレンス産駒の傑作で、皐月賞は熱発で回避、日本ダービーはフサイチコンコルドに屈するなど春は不運が続いた。秋はトライアルの京都新聞杯を快勝、そして菊花賞は1番人気に支持された。レースは直線で前が塞がる大きな不利があり、橋口調教師も半ば諦めていたという。しかし武豊の巧みな手綱さばきで抜け出し、上がり33秒8の末脚で快勝。

「武豊でなければ勝てなかった」と調教師が絶賛する見事な勝利であった。しかしその代償は大きく、レース翌日には屈腱炎を発症し引退が決定した。

 そして最弱の世代と言われた2000年のエアシャカールもまた、武豊の代表馬だ。同馬は皐月賞と菊花賞の二冠馬であり、日本ダービーはアグネスフライトに7cm差の2着に惜敗という実績馬。日本ダービー後は海外に遠征し、キングジョージ6世&クイーンエリザベスステークスで5着に敗退していた。

 帰国後は菊花賞トライアルの神戸新聞杯に出走するも3着に敗退、気性面に課題があり、菊花賞は2番人気に評価を落とした。レースは癖を矯正するためリングハミを使用し、武豊も内ラチ沿いを走って同馬をうまく誘導、その結果見事勝利を成し遂げた。しかしこの菊花賞が同馬にとって最後の勝利。その後10戦したが一度も勝てずに引退している。

 4勝目が、平成を代表する名馬ディープインパクトだ。

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